読売新聞オンライン

メニュー

ニュース

動画

写真

スポーツ

コラム・連載・解説

発言小町

漫画

教育・受験・就活

調査研究

紙面ビューアー

その他

サービス

読売新聞のメディア

購読のお申し込み

読売新聞オンラインについて

公式SNSアカウント

古墳期の染織品 300点分析

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

橿考研・奥山研究員ら

下池山古墳の内行花文鏡を包んでいたとみられるしま織物(橿考研提供)
下池山古墳の内行花文鏡を包んでいたとみられるしま織物(橿考研提供)
3種類が重なっていた藤ノ木古墳で出土した織物(橿考研提供)
3種類が重なっていた藤ノ木古墳で出土した織物(橿考研提供)

 布や紙といった有機物は、土中に埋もれていると朽ちてなくなってしまう。ところが、古墳で出土する刀剣などの鉄製品や鏡などの銅製品に付着して、1000年以上前の染織品が腐朽せずに残ることがある。県立橿原考古学研究所の奥山誠義・総括研究員らが、県内の古墳から出土した染織品について、報告書にまとめた。(関口和哉)

県内100基から出土 種類や織り方に違い

 分析したのは、橿考研が所蔵する天理市の黒塚古墳(3世紀末)や、斑鳩町の藤ノ木古墳(6世紀後半)など約100基の古墳から出土した染織品約300点。古墳時代全般の約400年間の繊維製品の種類や特徴を知ることができる。

 古墳時代の日本列島の中心地は、奈良盆地東南部など大和(県内)にあった。人や物が集まり、また、各地に分散することになり、大和の古墳の出土品を調べることは、古墳時代の日本の染織文化を知ることにつながるという。

 顕微鏡の画像からは、編み目がはっきりと確認できる。桜井市のホケノ山古墳(3世紀中頃)で出土した剣かやりに付着した織物は、平織りの絹だった。弥生時代の製品よりやや粗めの織りで、この時期、標準的なものという。

 天理市の下池山古墳(3世紀末~4世紀初め)で出土した内行花文鏡を包んでいた「倭文しとり」とみられる最古のしま織物は、現在は銅のさびで緑色に染まっているが本来、黄色や茶色などの色が付いていた。

 また、藤ノ木古墳出土の織物は、たて糸2本によこ糸1本を通した平織りの絹で、織り目の間隔が違う3種類があり、3枚の織物が重なっていることがわかった。

 黒塚古墳では、出土した三角縁神獣鏡や鉄製の武器や武具の多くに織物の痕跡を確認。埋葬施設内は、副葬品に付属した織物や副葬品を包んだ織物、敷かれた織物で充満していたことを想定。古墳祭祀さいしの復元につながるという。

 奥山総括研究員は「古墳時代の染織品について研究する基礎資料になる。古墳を発掘調査する際は、副葬品に織物が存在することを念頭に置いてほしい」と話す。今後、県外の古墳などから出土した染織品の分析も進め、古墳時代の染織品の全容解明を進めたいとしている。

 報告書「黒塚古墳から藤ノ木古墳へ至る古墳時代における染織文化財の総合的研究」はA4判、168ページ。非売品で橿考研などで閲覧できる。

無断転載・複製を禁じます
2050178 0 ニュース 2021/05/14 05:00:00 2021/05/14 05:00:00 2021/05/14 05:00:00 下池山古墳の内行花文鏡を包んでいたとみられるしま織物(県立橿原考古学研究所提供) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/05/20210513-OYTNI50046-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)