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国・技術保持者に北村さん

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漆工品修理 3代にわたり認定

「師匠である父が『ようやった』と認めてくれるのが、励みになる」と語る北村繁さん(奈良市で)
「師匠である父が『ようやった』と認めてくれるのが、励みになる」と語る北村繁さん(奈良市で)

 国の文化審議会の答申で16日、文化財保存に欠かせない伝統技能をつなぐ「選定保存技術保持者」に、県内から新たに漆工品修理の北村繁さん(49)(奈良市)が認定された。漆芸家の祖父・大通さん、父・昭斎さん(83)も同保持者だった。3代にわたる認定を喜び、「受け取ったバトンを大切に次につなげたい」と話す。(西田朋子)

 北村家は春日大社や興福寺などの御用塗師を務めた家系につらなり、繁さんの曽祖父・久斎さんの代から、正倉院宝物や大和の古社寺に伝わる国宝・重要文化財級の漆工芸品の保存修理、復元模造製作に携わってきた。父・昭斎さんは、光沢のある貝を切り漆に埋め込む技法「 螺鈿らでん 」の人間国宝。高齢のため今回、選定保存技術保持者については認定解除を申し出て認められた。

 繁さんは、早くから父のもとで技を磨き、大阪芸術大では金属工芸を専攻。卒業後は昭斎さんの助手として、正倉院宝物「 密陀彩絵箱みつださいえのはこ 」などの修理、春日大社の「 金地螺鈿毛抜形太刀きんじらでんけぬきがたたち 」(国宝、平安時代)の模造製作などにあたってきた。

 近年は自身の仕事として鹿島神宮(茨城県)の「 黒漆平文大刀拵くろうるしひょうもんたちこしらえ 」(国宝、平安時代)の修理を手がけた。「長年の経験に基づき、優れた漆工品修理の技術に精通している」と評価された。

 「巡りあった仕事に対し、できるだけのことをする。その積み重ねです。奈良の地で、周囲の方々とのご縁にも恵まれ、やらせてもらっている」と謙虚に語る。

 漆の塗膜に亀裂が入るなどした文化財と向きあうと「まず直してあげたい、と思う。お医者さんの気持ちに近い」と笑う。つややかな植物性の塗料である漆は、強固な接着剤でもあって、使い方を誤ると取り返しがつかない。状態を慎重に見極め、次回の修理も考慮し、時に数年をかけて手を施す。

 繊細華麗な漆工芸は、貝片や金属片を埋め込んだり、研ぎ出したり、金銀の粉で文様を描いたり、その表現、装飾技法は多岐にわたる。そこが「難しくもあり、面白くもある。まだまだ知らないことがある。まだまだ勉強しないと」。

 工房の仕事を通じ、助手を育てる一方、海外に赴き修理技術を伝える。海を渡った日本の漆工芸品も、少なくないからだ。日本産漆、螺鈿に用いる貝などの材料確保、はけや筆といった道具づくりの技も含め、「伝統工芸にまつわる世界全体を考え、力を尽くしたい」と、思いを新たにしている。

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2213855 0 ニュース 2021/07/17 05:00:00 2021/07/17 05:00:00 2021/07/17 05:00:00 「師匠である父が『ようやった』と認めてくれるのが、励みになる」と語る北村繁さん(奈良市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210717-OYTNI50002-T.jpg?type=thumbnail

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