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コロナ禍から再起へ 5人1チームで・・・
新型コロナウイルスの感染拡大からの再起を目指し、王寺町は、11月20日に町内の達磨寺で開く「第1回全国だるまさんがころんだ選手権大会」の参加者を10月8日から募集する。置物のだるまにまつわることわざとして知られる七転び八起きなどにちなんだイベントで、受け付けは29日まで。(石山脩平)
王寺町 11月20日達磨寺で
2019年11月に設立された「王寺町の文化財を生かした観光拠点づくり協議会」の主催。町職員や達磨寺の住職ら約10人がメンバーで、町地域交流課文化資源活用係が協議会事務局を務める。今大会は新型コロナ対策のため、県内在住者の参加に限るが、来年以降は全国から募る予定。
日本書紀などによると、達磨寺は聖徳太子やインドで生まれ、中国に禅宗を広めた達磨大師と縁が深いとされる。聖徳太子が613年に道中で飢えた人を見かけ、衣服や食料などを与えたものの、使いの者が亡くなっているのを発見。聖徳太子は墓を作って埋葬したが、遺体は消え、飢えた人は達磨大師の化身だったという。
この伝説により、僧侶・貞慶が鎌倉時代に墓の上に達磨寺を建立したとされ、今も本堂の下にある円墳の達磨寺3号墳は達磨大師の墓であると言い伝えられている。本堂の近くには聖徳太子の愛犬といい、江戸時代に作られた雪丸の石像が置かれているが、制作者は分かっていない。
大会は今年の「聖徳太子1400年御遠忌」を記念し、達磨大師を模しただるまの七転び八起きや、聖徳太子が制定した十七条憲法による和の精神をもとに、「苦しいコロナ禍でもみんなで助け合い、多くの人が再び立ち上がることができれば」と開催を決めた。
競技のルールは、主催者側が独自に設定。5人1チームの2チームがコートに入り、主催者側の担う鬼が「だるまさんがころんだ」と唱える間に、15メートル先のゴールラインに向かう。2分の時間内にゴールした1人につき得点を獲得でき、相手チームと合計点を競い合う。
募集は先着順で105人21チーム。町のホームページからチラシを入手でき、チーム名などを書いて協議会事務局に郵送やファクス、メールで申し込む。性別や年齢は問わないが、1チームは5人であることが必要。町のホームページでは、町職員らが実際に競技に挑む動画が見られる。
協議会会長の馬場基・奈良文化財研究所平城地区史料研究室長(49)は「参加をきっかけに町内に残る文化財や伝説へ興味を持ってもらうことで、さらなる地域の活性化や魅力発信を図っていきたい」と話した。
参加費は無料。問い合わせは協議会事務局(0745・72・6565)。