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広陵・17日オープン 産業観光拠点に期待
日本有数の靴下生産地・広陵町で17日、オリジナルの靴下作りなどを体験できる施設「S.Labo」がオープンする。手がけるのは、創業約100年の靴下製造会社「創喜」。<靴下の町>をアピールし、縮小する地場産業を盛り上げようと、同町疋相にある工場の一角に新設した。(浜井孝幸)
サイズや色選び 手作り体験


施設では、自社ブランドの製品ショップに加え、靴下の補修体験や技術を応用したぬいぐるみ作りなどに触れながら、靴下作りを楽しく学ぶことができる。
中でも目を引くのは、靴下の編み機と自転車を組み合わせ、ペダルをこぐことで靴下が編まれていく「チャリックス」。来場客は全36色の糸から好きな3色とサイズ、丈を選択。自転車を6、7分こいで編み機を動かし、靴下を形作っていく。その場でスタッフがつま先などを仕上げてくれるため、完成した靴下は持ち帰ることもできる。
出張耕平社長(42)によると、町内にかつて300社ほどあったメーカーは安価な海外品に押され、約40社にまで減少。国内では既に編み機も製造されておらず、技術の継承も課題だ。
「このままでは、靴下の町の看板を下ろす日が来てしまう」。危機感から自社ブランドの開発や発信に力を入れてきたが、「靴下を誇れる町づくりをしたい」と体験施設の開業にこぎ着けた。靴下作りを知ってもらうだけでなく、古くからの工場が並ぶ地域に人を呼び込む「産業観光」の拠点としても期待を寄せる。
出張さんは「奈良観光のついでに広陵町に靴下を買いにきてもらえたら。靴下作りをより魅力ある仕事にして産業を持続させていきたい」と意気込む。
詳しくは同施設のホームページ(https://slabo.souki-knit.jp/)へ。