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上牧にゆるキャラ

<商工会考案>名所ない町「羽ばたくように」
ペ太郎は、ペガサスになることを夢見ながら、町内の牧場で両親と暮らす3歳の馬。立派なペガサスになってほしいとの思いから、父が「ペ太郎」と名付けた。背中の羽は、ペガサスを夢見る息子のために、母が接着テープで作った。ドスドスと走るとき音がうるさいが、持ち前の明るさで日々ペガサスになる努力をしている。
県の「せんとくん」、王寺町の「雪丸」、葛城市の「蓮花ちゃん」など、県内の多くの自治体にPRのためのゆるキャラがいるが、上牧町では長く不在だった。ご当地キャラクターの人気を競った「ゆるキャラグランプリ」が2020年に終了し、ブームが去ったようにも思えるが、町にとってはついに生まれた待望のゆるキャラだ。
考案したのは町商工会。今年は町制50年の記念の年でもあり、町のことをもっと知ってほしいと、2年前から準備を進めてきた。ゆるやかな丘陵地帯にある上牧町では古代、宮廷の馬が放牧されたとも言われる。そこからペガサスが町のシンボルにもなっているが、ペ太郎は「まだペガサスになれない馬」とした。
担当した町商工会副会長の岡本数博さん(54)によると、町の認知度が足りずに「上牧町ってどこ?」「うえまき?」と言われることもあるという。名所やこれといった特産品もなく、知名度がまだ低い町と、これからペガサスとして羽ばたくことを夢見るペ太郎を重ね合わせた。「ペ太郎のいる上牧町として知ってほしい」と、岡本さんも夢見ている。
町内の幼稚園や保育所でペ太郎シールを配布する予定。まずは子どもたちの心をつかみ、「子どもたちと一緒に、明るい未来をドスドス走ってほしい」。岡本さんたちの思いを背負い、ペ太郎が走り出した。