感染症BCP 県内39市町村 6割未策定

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「人手不足」 コロナ対応に不安

 感染症や自然災害に備え、対応を決めておく「業務継続計画(BCP)」について、県内39市町村の6割が感染症用のBCPを策定していないことが、読売新聞の調べでわかった。人手不足を理由に未策定としている自治体が多く、新型コロナウイルスの感染再拡大に不安を残している。

 BCPの策定について、読売新聞は3~4月、県内39市町村の担当者に聞き取り調査を実施。うち23市町村が「感染症用のBCPは未策定」と回答した。

 理由としては、規模の小さい県中南部の自治体の多くが「人手不足」を挙げ、「職員が様々な業務を兼務しており、BCPの策定にまで手が回らない」(上北山村)といった声が寄せられた。また、橿原市や大和高田市などは「(感染症用ではなく)災害用のBCPがある。それに準じて対応する」とした。

 一方、「策定済み」としたのは、天理市や宇陀市など16市町村。奈良市や生駒市は、新型インフルエンザ対策として既に整えているほか、新型コロナの第6波で感染が急速に広がった今年1月以降、桜井市、上牧町、王寺町、十津川村が新たに策定した。

 十津川村は3月、約400ある業務の優先度を4段階に分けたBCPを策定。これまで村内では感染が比較的抑えられているが、担当者は「人と人のつながりが強い地域で、感染拡大は起こり得る。第6波の状況を見て必要と判断した」と言い、規模が似た他県の自治体の計画を参考にした。

 奈良市では昨年、職員の感染により、再生資源の収集を数日間停止せざるを得ない状況に陥った。また、第6波では、県内で首長が感染したケースもあった。感染症用のBCPの必要性は高まっているとみられ、未策定の河合町は「子どもの感染急増の対応に追われ、予定から遅れたが、近く完成させたい」とし、葛城市も各課ですりあわせ中だ。

 関西大の永田尚三教授(危機管理行政)は「災害時は一時的に業務が増えるが、コロナ禍ではそれが常態化している。第7波、8波を想定し、体制を考えておく必要がある」と指摘。「小さな自治体ほど、複数の業務を兼ね、専門性を持った職員が不足している。今後、県がそれを補うことを検討する必要もある」と話している。

業務継続計画(BCP)  大規模災害の発生や感染症の流行など、不測の事態が発生しても、円滑に業務を進めるため、あらかじめ業務の優先度や対応手順、資源の確保などを策定しておく計画。総務省は今年1月、新型コロナの第6波を受け、自治体職員らに感染が広がった場合でも住民サービスや業務を維持できるよう、全国の自治体に対応を要請した。

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