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平城宮跡 史跡指定100年
平城宮跡(奈良市)が今年で史跡指定から100年を迎えることを記念し、調査研究を進める奈良文化財研究所(同)は、遺物にちなんだ公式キャラクターを制作した。担当者は「若い世代やこれまで興味がなかった人にも、平城宮跡の魅力や研究内容を知ってもらうきっかけになれば」といい、新たに開設したツイッターや展示のパネルを活用し、100周年を盛り上げていく。(土谷武嗣、有留貴博)
遺物にちなむ6体 SNSや展示で活用

平城宮跡は1922年10月12日に国の史跡、52年に特別史跡に指定され、98年に世界遺産として登録された。現在は奈良時代の大極殿や朱雀門などが復元。観光客が多く訪れ、市民の憩いの場としても親しまれている。
その遺跡を研究する奈文研が今回、公式キャラクター「キュートぐみ(宮都組)」を制作した。「キュート(かわいい)」と「宮都」をかけて命名し、いずれも奈文研の職員がデザインした。メンバーは、頭上に軒平瓦をつけた妖精「かわらびっとちゃん」や、土器に描かれたサルの妖精「さるまるくん」、丸い
100周年の記念ロゴも制作した。発掘調査をイメージしたスコップと土器、復元された大極門のシルエット、遺跡内にねぐらを作るツバメをあしらい、平城宮跡の過去と現在、未来を表現したデザインとなっている。
これらを遺跡内の平城宮跡資料館の展示パネルや文化庁、国土交通省といった平城宮跡に関係する機関でも活用する。
ツイッター開設
奈文研は公式のツイッターも運用を始めた。
アカウントは@NABUNKEN_PR。
同じ独立行政法人国立文化財機構である東京文化財研究所や4国立博物館で既に運用されていた。しかし、奈文研にはなく、既にある公式のフェイスブックやユーチューブ「なぶんけんチャンネル」を見ている層以外にも、「より多く、より早く、より身近」な情報を届けようと、ツイッターも始めた。
奈文研の岩戸晶子・展示企画室長は「奇跡的に現代まで伝わった1300年前の平城宮について、広く知ってもらうため、キャラクターやツイッターを活用したい」と話している。