県文化財 適切な保存を

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奈良のNPO 改善求め提言書

石材の崩落が確認された宮山塚古墳の石室(平群町で)=奈良まほろばソムリエの会提供
石材の崩落が確認された宮山塚古墳の石室(平群町で)=奈良まほろばソムリエの会提供
内部で崩落が発生している笛吹神社古墳(葛城市で)=奈良まほろばソムリエの会提供
内部で崩落が発生している笛吹神社古墳(葛城市で)=奈良まほろばソムリエの会提供

 NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」(奈良市)が、県指定文化財の課題や管理状況、説明板の有無などを調査したところ、存続の危機に直面する天然記念物や、古墳の石室内部で崩落が発生している史跡などが確認された。同会は結果をまとめた提言書を県に提出し、早期の改善などを求めている。(土谷武嗣)

天然記念物 存続危機

古墳石室 内部で崩落

 同会は、ご当地検定「奈良まほろばソムリエ検定」の最上級資格取得者らで構成。2013年の設立から、県や市町村の指定文化財の調査を行うなど、歴史や文化に関する知識を生かした活動に取り組んでいる。

 調査は2020年6月~21年10月に実施。県指定文化財の史跡54件、名勝4件、天然記念物63件、有形民俗文化財23件の計144件を対象とした。会員3~5人で現地を訪れ、目視や関係者への聞き取りで、説明板の有無▽表記や管理の状況▽現地への案内板の設置が適切か――を調べた。

 確認が難しい動物の天然記念物など14件で調査を見送り、130件で現状を確認。この結果、存続が危ぶまれる天然記念物3件、古墳内で崩落が生じている史跡2件、説明板に課題がある文化財20件の計25件で、早期の対応が必要とした。

 天然記念物では、宇陀市の 初生寺はじょうじ 境内を自生地とする植物「ツルマンリョウ」が10年前から見られなくなっていることが判明。説明板は設置されたままだという。吉野町の津風呂神社では、指定対象のサカキカズラについて、20年度に町や樹木医が現地調査したが、確認できなかったとした。

 史跡は、葛城市の笛吹神社古墳と平群町の宮山塚古墳で、石室の崩落が発生。宮山塚古墳では、1995年の阪神大震災で崩落したとみられる石材が石室に放置されている。いずれも立ち入り禁止とされているが、改善が必要とみられる。

 一方、説明板では、記載内容に誤りがあり、訂正が必要な2件、劣化で判読不可能な3件など計10件で課題を確認。説明板そのものがなく、設置が必要なケースも10件見つかった。

 調査結果を踏まえ、同会は4月、県に対し、早期の現状調査、説明板や案内板の改善などを求める提言書を提出。文化財保存のための適切な施策に取り組むよう要望している。

 同会の豊田敏雄理事長は「実際に現地を見ることで気づくことも多かった。文化財保存への意識を高める機会とし、行政は適切に対応してほしい」と話した。

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