教員の勤務時間、正確に レコーダー導入拡大

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タイムレコーダーにICカードをかざし、出勤時間を打刻する教諭(大分市立春日町小で)
タイムレコーダーにICカードをかざし、出勤時間を打刻する教諭(大分市立春日町小で)

 教員の長時間労働が問題になる中、県内の公立小中学校や高校などで、勤務時間を記録するため、タイムレコーダーやICT(情報通信技術)を活用する動きが広がっている。今年3月までに県内10市町の教育委員会と県教委が導入。正確な勤務時間を把握することで、学校現場でも働き方改革につなげたい考えだ。

 大分市西春日町の市立春日町小。職員室の入り口近くに置いてあるレコーダーに、教職員がICカードをかざすと、パソコンの専用ソフトに勤務時間が記録されていった。

 同小を含む市内の市立学校では教職員が自分で出退勤時間をエクセルなどに記録し、上司に報告していた。市教委は勤務時間を正確に把握してもらうため、昨年12月に約900万円をかけて、市内の全小中学校と義務教育学校の計83校にレコーダーを設置した。

 各学校では、管理職や自分のパソコンに出退勤時間を自動で記録でき、時間外労働時間も表示されるようになった。自宅で仕事をしたり、土日に部活動で出勤したりした時間も登録できるという。

 市教委の集計によると、校長と教頭を除く全教職員のうち、100時間以上の残業時間を記録した教職員は、12月が42人(約2%)、1月が17人(約0・8%)となった。

 春日町小の阿部靖裕教頭は「労働時間が『見える化』されることで、時間を意識した働き方につながっている。記録をもとに、職場全体で健康的な働き方を考えていきたい」と話す。

 教員の労働環境を巡っては、部活動の指導や授業の資料づくりのため、休日出勤や残業を強いられるなど、慢性的な長時間労働が問題となっている。県内でも、脳出血で死亡した県北部の公立中学校の女性教諭(当時46歳)が長時間の時間外勤務が原因として、2017年6月に民間の労災にあたる公務災害に認定された。

 こうした実情を踏まえ、中央教育審議会の特別部会が17年8月、教職員の勤務時間を客観的に把握するよう求める緊急提言をまとめた。タイムカードやICTを活用したシステムの導入などが盛り込まれた。

 提言などを受け、県内の8市町が、パソコンのログインとログアウトの時間で校内の滞在時間を記録する専用ソフトなどを導入。県教委や大分、佐伯各市教委はレコーダーによる勤務時間の把握に取り組んでいる。

 一方、未導入の8市村教委のうち、中津市教委は独自にエクセルを改良し、教諭が登録した時刻から自動で時間外労働時間を算出できる仕組みを整えている。別府市教委は今秋からレコーダーを導入する予定だ。

 ただ、ある市教委の担当者は「レコーダーなどを取り入れると財政的な負担が大きい。費用負担に見合った効果を得られるかも不透明だ」と明かした。

 教員の働き方改革に詳しい内田良・名古屋大准教授(教育社会学)は「教員の自己申告ではなく、客観的な手法で正確に勤務時間を管理することは、働き方を考える上での基本だ」と強調。「データをもとに学校現場が地域や保護者の理解と協力を得ながら、勤務時間や業務量について改善する必要がある」と指摘している。(谷口京子)

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586556 0 ニュース 2019/05/17 05:00:00 2019/05/17 05:00:00 2019/05/17 05:00:00 レコーダーにICカードをかざし、出勤時間を打刻する教諭(大分市立春日町小で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/05/20190516-OYTNI50037-T.jpg?type=thumbnail

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