脳性まひ男性第2句集 反戦や平和への願い詠む

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右足の指に挟んだ棒でパソコンのキーボードをたたき、作品を打ち込む坂田さん
右足の指に挟んだ棒でパソコンのキーボードをたたき、作品を打ち込む坂田さん
2作目の句集
2作目の句集

 重い脳性まひで体をほとんど動かすことができない大分市東浜の坂田正晴さん(71)が、「第二句集 四季・車椅子2」を出版した。約30年ぶりとなる2作目の句集で、反戦や平和への願いを題材にした893句を収録。坂田さんは「平和な社会を考えるきっかけにしてほしい」と話している。

 福岡県水巻町出身で、5人きょうだいの長男。生後間もない頃、脳性まひによる身体機能不全と診断された。自分の意思で自由に動かすことができるのは、右足の指と首だけ。幼少期は学校に通うこともできなかった。妹や弟が学校から借りてくる本や新聞などを読んで、ひらがなやカタカナ、漢字を覚えた。

 ほぼ寝たきりの状態だったため、家族が外出しても一人で留守番することがほとんどだった。「自分が生まれた意味はあるのだろうか」。自問自答する日々を送っていた。

 26歳の時、別府市の国立別府重度障害者センター(当時)に入所。クラブ活動で俳句と出会った。体を自由に動かせなくても、17文字で言葉を紡ぎ、社会に思いをぶつけることができる喜びを感じ、創作活動を始めた。

 毎日午前5時~7時、頭に浮かんだ句を右足の親指と人さし指にボールペンを挟み、メモ紙に書き留める。良くできた作品だけを、ラジオのアンテナを改造した棒で、パソコンのキーボードをたたいて入力し、書きためていく。

 1作目は、同センターを退所した1987年に出版。今回の句集は、同年以降から2005年頃までの作品を中心に集めた。「ひろしまへ八月の目をひらくなり」「二万発の核ある地球ビキニの忌」など原爆や核兵器を題材にした句を多く収めている。「戦争になれば一番に社会から切り捨てられかねない障害者の立場から、平和の尊さを訴えたかった」からだという。

 今は、食事や入浴など訪問介護のサービスを受けながら、一人で暮らしている。最近は体調が優れず、創作活動に打ち込めない日が増えてきた。坂田さんは「俳句を詠むことは、自分が生きてきた証し。命がつきるまで、俳句を通じて、自分の思いを発信していきたい」と語る。

 句集は電子版のみで、1冊270円(税込み)。紀伊国屋書店のウェブストアなどで購入できる。

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607474 0 ニュース 2019/05/29 05:00:00 2019/05/29 05:00:00 2019/05/29 05:00:00 自由に動く右足の指を使い、パソコンに作品を打ち込む坂田さん https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/05/20190528-OYTNI50010-T.jpg?type=thumbnail

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