ムスリム墓地巡り隔たり

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墓地の建設予定地(日出町南畑で)
墓地の建設予定地(日出町南畑で)

 イスラム教徒(ムスリム)の教義で定められた土葬用の墓地の整備計画が日出町で浮上し、住民から反対の声が上がっている。土葬用の土地の確保は難しく、計画する宗教法人側は窮状を訴えるが、不安を感じる周辺住民側との隔たりは埋まっていない。町議会は13日、反対する陳情を継続審査とした。

■日出の予定地は

 日出町南畑を通る国道500号から脇道に入ると、木が茂った山地が広がっていた。別府市の宗教法人「別府ムスリム協会」が、約8000平方メートルを購入した。200区画ほどになり、2年半ほど前から計画を進めてきた。実現すれば九州初の専用墓地となる。

 周囲には別府霊園のほか、土葬の墓地を持つキリスト教の修道院がある。立命館アジア太平洋大教授も務める協会のカーン・ムハマド・タヒル・アバス代表(53)は「土葬の墓地がそばにあり、周辺住民の理解が得やすいと考えた」と明かす。

■「時間がない」

 協会によると、ムスリムは現在、別府市にあるカトリック墓地に許可を得て埋葬しているが、受け入れるスペースがほぼなくなっている。九州・四国には土葬用がなく、墓地がある山梨県まで車で遺体を運んだ人もいるという。カーン・タヒル代表は「時間がなく、私たちはとても困っています」と理解を求めた。

■「衛生面が心配」

 予定地から約1・2キロ下に、ため池があった。周辺の高平、目刈地区の住民らが農業や畜産業に利用しているという。

 住民からは「墓地からの排水が流れ込み、衛生面などに影響するのではないか」といった声が出た。ため池の水を使って子牛を育てる男性(60歳代)は「墓の規模が大きく、水への影響が心配だ。流れ込まない所に造ってほしい」と話す。

■継続審査に

 「墓地埋葬法」では土葬は規制されていないが、町の条例で建設には近隣住民との協議が必要となる。町議会(定数16)には8月、反対住民から建設中止を求める陳情書が約100人の署名を添えて提出された。

 13日の本会議で、森昭人議員は「(墓地の計画が)条例の許可基準を満たすか、更に調査する必要がある」と継続審査に賛成した。川辺由美子議員は「国内の土葬墓地で水質への影響は報告されていない。決定を持ち越すことは協会側、住民側にも良くない」と反論した。

 町生活環境課によると、計画は事前協議の段階で、町は協会が提出した設計図などを審査している。いつ決定するのか、見通しは立っていない。

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1545390 0 ニュース 2020/10/14 05:00:00 2020/10/14 05:00:00 2020/10/14 05:00:00 墓地の建設予定地(12日、日出町南畑で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/10/20201013-OYTNI50017-T.jpg?type=thumbnail

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