諭吉が父の本売り留学 漢文の書見つかる
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中津藩出身で慶応義塾の創立者、福沢諭吉(1835~1901年)が青年時代に
市教委によると、見つかったのは古代中国の思想家、荘子の思想を解説した古典「荘子因」(全6巻)。中津藩の国学者・渡辺重名の子孫が三重県で保管していた。書物に押された印が、福沢家の所有を示す「
慶応義塾福沢研究センター(東京都)が所蔵する渡辺の孫で福沢の遠戚、
百助は下級武士だったが漢籍に造詣が深かったとされる。福沢の著書「福翁自伝」では、長崎留学後に家の借金整理のため、百助の蔵書を15両で臼杵藩に引き取ってもらったと書き残している。荘子因に関する記述はない。
重名の子孫が数千点の資料の取り扱いをセンターに相談し、3月から市教委と共同調査していた。市教委の松岡李奈学芸員は「家計が苦しい中、留学資金をどうつくり出したかが明らかになった。福沢の学問に対する情熱に思いをはせてほしい」と話した。
◆きょう特別解説
企画展「福沢諭吉の書」は、中津市歴史博物館と市内の福沢諭吉旧居・福沢記念館で来年1月9日まで開催。福沢が英語で書いた書簡や創作の漢詩など43点が並ぶ。13日は記念館でセンターの都倉武之准教授の特別解説もある。
博物館は一般300円(中学生以下無料)、記念館は高校生以上400円、中学生以下200円(未就学児無料)。いずれも午前9時~午後5時で、博物館は月曜休館。問い合わせは博物館(0979・23・8615)へ。