子ども食堂 支援に課題

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 ◇県内35か所に増

 ◇資金難や会場確保、体制作り

 地域の子どもたちに無料や低額で食事を提供する「子ども食堂」が県内でも増えている。支援団体によると、県内では2015年頃に初めて開設され、現在は35か所ほどに上るという。貧困家庭の支援だけでなく、子どもたちの居場所になっている一方、資金難や会場の確保などに課題を抱えている食堂も少なくない。(坂下結子)

   ■農家から野菜

 「おなか、すいたぁ」。岡山市東区西大寺中野の特別養護老人ホーム「中野けんせいえん」。12日、正午が近づくと、子どもたちが次々とやってきた。この日は月1回の子ども食堂の日。地域の子どもや保護者ら約80人が集まった。

 16年8月に地域住民らで始めた「さいさい子ども食堂」では、15歳以下は無料、16歳以上は300円で食事を提供している。鶏マヨ丼やぜんざいなどの配膳を手伝う子どもたちに「気をつけてね」とボランティアスタッフが優しく声をかけた。

 長女(8)と次女(2)を連れて初めて訪れた母親(28)がいた。夫と離婚し、昨年12月に近くに引っ越してきたばかり。「保育園を探したり、就職先を見つけたり、やらないといけないことがたくさんある。相談できる人がいるかなと思って来ました」と話した。

 これまでに約30回開催しており、元中学校長の佐藤信治代表(66)は「会場を無料でお借りし、地元農家から提供を受けた野菜などを使って、何とか運営できている。様々な家庭や子どもたちのよりどころになれば」と話した。

   ■人数増で休止

 子ども食堂は、12年に東京都内で始まったのが全国で最初と言われ、昨年4月時点で全国に約2300か所あるとされる。

 岡山県内の運営者らで作る「こどもを主体とした地域づくりネットワークおかやま」によると、県内では15年頃に赤磐市などで始まり、現在は福祉施設や公民館、個人宅などで開催されている。

 ただ、資金難などのため運営が立ち行かなくなった食堂も出始めている。

 岡山市中区の貸事務所で16年2月にオープンした子ども食堂では、当初数人だった参加者が20人以上に増加。会場が手狭になり、移転を検討したが、近くで安く借りられる場所が見つからず、計6回の実施で休止した。

 人数が増えるにつれ、食費や光熱費などの負担も重くなったという。代表を務めた女性は「来てくれる子たちを断ったり、無料にしていた食事代を有料にしたりするわけにはいかなかった」と話した。

   ■行政の後押し

 こうした事情から、全国では行政などが運営を後押しする動きが広がりつつある。

 兵庫県は16年度からふるさと納税の使用目的を食堂開設に限定した支援事業を始めた。月2回開催などの条件を満たせば、炊飯器や食器などの購入代として最大20万円を補助しており、これまでに約40団体が利用した。高知県では開設経費のほか、1回開催ごとに最大6500円の運営費を補助する制度もある。

 一方、岡山県にこうした支援事業はない。倉敷市はボランティア団体が行う保健福祉に関する活動に助成しており、子ども食堂を運営する1団体が補助を受けているが、岡山市は、社会福祉協議会に委託した相談窓口を各区に設置する程度だ。

 同ネットワーク代表の直島克樹・川崎医療福祉大学講師は「地域のつながりが弱まっている今、子ども食堂に期待される役割は大きい。公的支援が少ない中で運営を続けるには、運営側が意欲を持ち続けることに加え、地域全体で支える体制作りが欠かせない」と話している。

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57482 0 NEWS EYE 2019/01/20 05:00:00 2019/01/21 13:36:27

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