被災お互い 声に耳傾け

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「被災者の声を聞きながら、コミュニティーを再生したい」と語る多田さん(倉敷市真備町で)
「被災者の声を聞きながら、コミュニティーを再生したい」と語る多田さん(倉敷市真備町で)

 ◇NPO法人代表理事 多田 伸志さん 58(倉敷市)

 倉敷市真備町に1日、西日本豪雨で被災した人たちの支援団体をつくった。「自分も被災したからこそ、みなさんと苦しみを分かち合える」との思いから「お互いさまセンターまび」と名付けた。

 障害者や高齢者、子育て中の親らから困りごとの相談に応じている。ニーズを聞き取り、災害復興計画を策定している市や、社会福祉協議会などに伝えるのが目的だ。

 相談の受け付けは窓口や電話だけではない。真備町内なら無料で行う病院やスーパーへの送り迎えの車中でも、運転を担当するメンバーが悩みに耳を傾ける。「運転手も被災者だし、本音を言いやすいと思って。何げない一言から必要な支援をくみ取りたい」と語る。

 真備町内の精神科病院で、ケースワーカーとして23年勤めた。院外で精神障害者らを支援したいと考え、真備町にNPO法人「岡山マインドこころ」を設立。2011年には、障害者に働く場を提供するため、地ビールの醸造所をつくった。

 男女12人で醸造販売したビールは地域で好評だったが、今年7月の豪雨で醸造所が水没。地元の大麦を使った「純真備産ビール」をつくるため、約6800万円かけた精麦施設も壊れてしまった。

 再起を諦めかけた時に支えになったのは住民の「頑張って続けて」「あのビール飲みたいわ」という励ましの声。「地域が障害者の支援活動を応援してくれている、と考えるとうれしくて」。もう一度と立ち上がり、何とかビールづくりを再開できた。

 醸造所の再建は途上だ。それでもセンターをつくったのは真備町の復興の一員に加わりたいから。「新しいまちづくりをするチャンスだと思って、小さな声をすくい上げたい」と語った。

(加藤律郎)

「努力を続けていれば、夢はかなう」と話す竹元さん(赤磐市で)
「努力を続けていれば、夢はかなう」と話す竹元さん(赤磐市で)

 ◇崩れないセット全国V

 ◇理容師 竹元 大明(ひろあき)さん 37(赤磐市)

 10月に熊本県益城町で開かれた「第70回全国理容競技大会」の「レディスカット・パーマスタイル(人間モデル)」部門で優勝し、内閣総理大臣賞を受けた。岡山県勢の優勝は1967年以来、約半世紀ぶりの快挙ということもあって、「これまで頑張ってきたかいがあった」と喜びと達成感をにじませる。

 2013年に初めて全国大会に進み、これまでの最高成績は15、16年の4位。しかし、昨年は県予選で涙をのみ、「年齢からみてもラストチャンス」と覚悟を持って臨んだ。

 岡山の理容美容専門学校を卒業後、20歳の時から東京都中野区のヘアサロンに勤め、11年間にわたってセンスとスキルを磨いた。「師匠」と慕うオーナー理容師は、女性の髪をカットやセットする技術を競う同じ部門のかつてのチャンピオン。今年8月からは週の前半は上京して師匠のもとで指導を受け、後半は赤磐市桜が丘西にある自店に戻って働く生活を続けた。

 同部門には各地の予選を勝ち抜いてきた30人が出場。課題は、仕事や家事に励む女性をイメージした「Ladies hair Marge」(レディスヘア・マージュ)」というボブベースの髪形で、モデルに合わせて40分間でカット、セットする。師匠のアドバイスもあって、しっかり熱を加えてブローすることを心がけ、その後の45分間におよぶ審査中でもセットが崩れないように工夫した。

 「何度も理容師をやめようと思ったことはあるが、続けてきてよかった。これからは理容業界への貢献や、後進の指導に力を入れていきたい」。ウェーブのかかった髪を揺らしながら、きょうも自分の店ではさみを握る。(水原靖)

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48806 0 人あり 2018/11/11 05:00:00 2018/11/11 05:00:00 「被災者の声を聞きながら、地域コミュニティーを再生したい」と語る多田さん(倉敷市真備町箭田で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181110-OYTAI50005-T.jpg?type=thumbnail

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