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木育で地域活性化

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木のおもちゃを手に木育の重要性を語る藤本さん(新見市で)
木のおもちゃを手に木育の重要性を語る藤本さん(新見市で)

一般社団法人「にいみ木のおもちゃの会」代表 藤本 忠男さん 63(新見市)

 幼児期から木材と関わることで温かい心を育て、森林や環境への関心を持ってもらうという「木育」。子どもからシニア世代までを対象にした<生涯木育>の普及と地域活性化を目指し、木のおもちゃを積んだ車で県内外を飛び回る。

 森林が面積の86%を占める新見市。高校まで地元で過ごし、少年期は友達と裏山で木を使った遊びに夢中になった。大学卒業後、備北地域の小学校や支援学校で教員を務める傍ら、1990年頃から実験を通じて小学生らに科学の楽しさを伝える教室を開いてきた。

 来場者の中には児童の弟や妹もいたが、実験を理解するには幼すぎ、会場の片隅で所在なく過ごすだけ。元々、木に興味があっただけに「木製のおもちゃで楽しませられないか」と、10年ほど前、組み木や木製玩具を用意した。

 すると、退屈そうにしていた幼児が目を輝かせて遊び始め、同伴の母親らもほっとした表情を見せた。最初は科学教室の一コーナーだったが、口コミなどで県内各地の子育て支援団体や幼児クラブから開催依頼が舞い込むようになり、定年退職前の2017年、知人らに呼びかけて会を設立。19年に社団法人化した。

 会員は会社員や医師、大学教授ら34人。木育の浸透を図るため、行政や福祉・教育機関などとの連携に取り組んだほか、市内外のこども園や小中学校、子ども会などでワークショップを開催してきた。ままごと遊びができる木製ミニキッチンや直径5センチほどのヒノキ玉を入れたプール、木製パズルなどを持ち込んで、子どもや保護者、教師などに木のおもちゃの良さを伝えてきた。

 長さ70センチ~2メートル程度の木材で高さ、幅各3メートルほどのジャングルジムを組み立てる木育玩具なども活用。仕上げるには全員が力を合わせることが必要で、「遊びを通して社会性や協調性を養い、自然との共生や環境保全を考える入り口になれば」と力を込める。

 19年9月、同市は集中豪雨に見舞われ、中心部の保育所も大きな被害を受けた。遊具の多くが土砂流入で使えなくなったと聞き、同会は手作りの積み木1000枚(長さ10センチ、幅2センチ、厚さ5ミリ)を贈った。木工業などの会員が地元産のヒノキから作ったもので、園児が角で指を切らないように面取り加工も施した。

 積み木はこれまで計7か所の保育所などに寄贈しており、「園児には木のぬくもりだけでなく、こうした配慮も知ってほしい」と期待。今後は市内のほかの園だけでなく、高齢者福祉施設にもプレゼントする方針で、「お年寄りが木の香りに触れて介護職員らと話をしながら指先を使って遊ぶことで、認知症の予防や進行を遅らせることにつながれば」と話す。

 避難所への木製おもちゃの配備のほか、子どもが自由な発想で山の中で遊ぶ「プレーパーク」を新見公立大生と整備する構想も描く。「木のおもちゃを通じてみんなが楽しく、心豊かに暮らせるまちをつくりたい」と意欲をみせた。(根本博行)

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2029142 0 人あり 2021/05/04 05:00:00 2021/05/04 05:00:00 木のおもちゃを手に木育の重要性を語る藤本さん(新見市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/05/20210504-OYTAI50002-T.jpg?type=thumbnail

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