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中津井やまびこ会会長 花森 敏明さん 68 (真庭市)

自作の絵コンテを手にまつりへの来場を呼びかける花森会長(真庭市で)
自作の絵コンテを手にまつりへの来場を呼びかける花森会長(真庭市で)

 通り沿いの家々が玄関などにひな人形を飾り、江戸時代の豪勢な嫁入りを再現した「 輿こし 入れ道中」が人気を集める真庭市・中津井地区の「 ひな の文化まつり」。地域の春を彩るイベントとしてすっかり定着したが、このまつりだけでなく、水流でからくり人形を動かすイベントや、荒廃していた由緒ある泉の整備を発案するなど、あふれ出るアイデアで活性化に力を尽くす。

 中津井出身で、京都の大学を卒業して帰郷。パンや牛乳、段ボールを製造している実家の会社に勤めた。

 かつては備中と美作、伯耆を結ぶ要衝として栄えた同地区だが、過疎化で活力が失われていくのを肌で感じた。地元の文化協会員でもあり、「文化祭とひな祭りを一緒にすれば作品を大勢に見てもらえ、地域も元気になる」と2001年、有志30人で「中津井やまびこ会」を結成。翌年、ひな人形に加えて俳句や川柳、絵画などを展示するまつりを開催した。

 「さらなる目玉を」と特色を探していた時、江戸時代に倉敷市の塩田王「野崎家」に、隣の集落からこし入れがあったことを知った。地区の古民家に残されていた長持ちの活用法を模索していた時でもあり、両者を結びつけて行う花嫁道中を思いついた。

 行列は4回目の05年から開始。花嫁やかごの担ぎ手など約30人が陣屋町をゆっくりと歩くが、予算は限られており、剣道着や角帯を譲り受け、藍で染めて仕上げるなど衣装の大半は手作り。苦労のかいもあり、2日間で県内外から6000人前後が訪れる地域最大の催しになった。

 「せっかく、いいものがあるのに使わないのはもったいない」が持論。かつては花嫁が馬に乗って嫁いでいたという地元の風習にちなみ、花嫁がかごのそばを歩くだけでなく、馬に乗るというスタイルも取り入れた。

 14年からは秋のイベントとして、会員が廃材で作った一寸法師や桃太郎といったおとぎ話の主人公らが用水路の流れを動力に、楽しい動きを見せる「いやしの里 カラクリ祭り」を開催。子どもの頃に見た夏祭りの出し物がヒントといい、「何か仕掛けをして新しい空気を入れることで、活力ある地域が生まれると思っている」と力を込める。

 平安時代に宮中で行われた歌会の和歌2首に登場するものの、雑木が生い茂って見えなくなっていた「塩川の泉」の整備も呼びかけた。有志10人と約1年かけて雑木や投棄されたごみを撤去。老朽化していた大師堂を休憩所として使えるよう再建した。

 新型コロナウイルスの影響で中止されていた雛の文化まつりは今春、3年ぶりに実施される。今回は備中松山藩の財政を立て直した漢学者で、中津井にゆかりが深い山田方谷(1805~77年)が仲人を務めるという設定の「結納 熨斗のし 入れ行列」を初めて行う予定。参加者それぞれの役割が分かるよう絵コンテも描いており、「多くの人にまつりを楽しみながら、郷土の偉人を知ってもらいたい」と話していた。

     ◇

 まつりは26、27日午前9時~午後4時、真庭市下中津井の農村型リゾート施設「なかつい陣屋」一帯で行われる。民家や商店約40軒がひな人形を飾るほか、26日は結納熨斗入れ行列、27日は輿入れ道中がともに午後1時から行われる。コロナの感染状況により、行列は中止になる可能性があるが、ひな人形の展示は実施する。問い合わせは同施設(0866・52・5001)。(根本博行)

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