深まる愛 歌に込め

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カントリーシンガー 中島 真弓/オリーブさん 69

 岡山市北区のライブハウスに、軽やかなギターの音色と澄んだ歌声が響いていた。「3か月ぶりのライブですね。今日も飲んで歌って楽しみましょう」。カウボーイハットとデニムジャケットに身を包み、ハンク・ウィリアムスの「ジャンバラヤ」といったカントリー音楽の名曲のほか、カーペンターズの「スイート スイート スマイル」を口ずさむ。集まった客は心地よさそうな表情を浮かべながら、バーボンのソーダ割りを傾けた。

ライブハウスで演奏するオリーブさん(岡山市北区で)
ライブハウスで演奏するオリーブさん(岡山市北区で)

 岡山市出身。幼い頃から歌が好きで、小学生から合唱団に入っていた。カントリーとの出会いは、高校2年の頃。その合唱団に所属していた男性から「うちで歌わないか」と、カントリーのバンドに誘われた。全く知らないジャンルだったが、レコードを聴くうちにスチールギターの柔らかい音色と、郷愁を誘うメロディーにほれこんでいった。

 毎週日曜日に、バンド仲間と練習する時間が楽しみになり、ギターの弾き方も学んだ。ステージ名「オリーブ」を名乗り始めたのは25年ほど前。米の人気漫画「ポパイ」のガールフレンドで、親しみやすいキャラクターにひかれ名前を拝借した。

 本場の音楽に触れたいと、2000年頃、米南部テネシー州ナッシュビルなどを初めて訪れ、屋外で開催されていたライブを巡った。「誰もが曲を知っていて、体に音楽が染みこんでいる」と日本との違いに驚いた。観客が歌ったり踊ったりして、アーティストと一体になって楽しむライブに憧れを抱いた。

 それ以来、ステージでは観客との距離を縮めるよう、心がけるようになった。演奏の合間には軽快なトークで会場を沸かせ、笑顔が絶えない。市立旭公民館(岡山市北区)で「テネシーワルツ」を歌う教室を開き、一人でも多くの人にカントリーの良さを知ってもらう活動も続けている。

 年間60回以上、岡山市や兵庫県西宮市のライブハウスで演奏する生活を送ってきたが、新型コロナウイルスの感染拡大で生活が一変した。20年以降、計画していたライブが相次いで中止となり、大きなショックを受けた。今年も4月までに開催できたライブはわずか5回。

 それでも「歌えないことで、歌への愛情がより深くなった」と、昨年末、初めて作曲に挑戦した。これまでに3曲を書き上げたが、そのうちの1曲が「月に願いを」だ。

 月に1度のフルムーン 願い事が かなうそうだよ(中略)いつになったら 会えるのだろう

 満月に願いをするとかなえられるという、ネイティブ・アメリカンの伝説に着想を得た曲には、カントリー音楽とそれを愛する人々への思いを込めた。

 「心から好きだと思える音楽に出会えて幸せ。まだまだ歌いたい曲がいっぱいある」と話す。これからも古き良きカントリーの音色を届けてゆく。(岡さくら)

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