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地域おこし協力隊 松穂 亜花音さん 31 (和気町)

「イルミネーションを通じて地域と子どもたちを結びつけたい」と語る松穂さん(和気町福富で)
「イルミネーションを通じて地域と子どもたちを結びつけたい」と語る松穂さん(和気町福富で)

 JR和気駅前(和気町福富)のロータリー。いつもは帰宅を急ぐ乗降客も、毎冬恒例のイルミネーションが始まると足を止めて見入ってしまう。

 昨年11月~今年1月の9回目は、地元の本荘小学校の児童らが制作に参加。「コロナによって失われている、大切なもの」をテーマにライトアップされた。県立和気閑谷高校の生徒がデザインした「空中イルミネーション」もお目見えし、赤や緑、黄色のLED(発光ダイオード)で彩られた幻想的な景色に多くの人が目を奪われた。企画した1人として、「コロナ禍は収まっていないものの、見た人を少しでも癒やしたかった」と語る。

 山梨県富士吉田市出身。高校卒業後、中央大文学部に進んだ。子どもを取り巻く環境に関心があり、卒業論文のテーマに「いじめ」を選んだ。その後、東京で映画宣伝の仕事に就くが、塾講師へ転身した。そこでの約4年間で、家庭や学校以外の第3の居場所の必要性を実感するとともに、子どもたちとの関わりあいに生きがいを見いだした。2019年には3か月間、フィリピンへ留学。様々な国の人々とふれあい、互いの個性を尊重しあえる環境に刺激を受けた。「子どもたちと地域の多様な方々をつなぎたい」。協力隊に興味を持ち、20年6月に入隊した。

 現在、同高の支援職員として地域と学校をつなぐ調整役を担い、町の公営塾では小中生に英語も教えている。「子どもが多世代、多国籍の人と生き、学びあえる地域や社会づくりを目指している。その機会としてイルミネーション制作の協働は打ってつけ」と話す。

 イルミネーションは元々、地域のにぎわい創出を目的に、和気町本荘地区助け合いのまちづくり協議会などが13年から始めた。以来、装飾を充実させ、駅利用者の目を楽しませてきた。同協議会メンバーが「若者の力を借りたい」と相談したことがきっかけで、20年から同高の生徒が関わるようになった。生徒約30人が参加したこの年、疫病退散の御利益があるとされる妖怪「アマビエ」にちなむ作品を制作。途中下車して写真撮影をする人々も多かった。

 昨年は11月から制作を始めた。小学生や高校生は同協議会メンバーらに教わりながら、網目状の金属製パネルにペンチを使って針金を巻き付け、様々な色のLEDを取り付けるなどしていった。使用したLEDは計2万5000個に達し、山肌に巨大な火文字を彩る郷土の夏の風物詩「和文字焼きまつり」を表現した作品が完成した。空中イルミネーションは「明るい未来への船出」という願いを込め、江戸~明治期に地元の吉井川を往来した高瀬舟をモチーフにした作品とした。この他、「コロナが世界からなくなってほしい」「せんそうのない平和な世界になりますように」など児童251人が願い事を記したプレートが、ロータリーをカラフルに彩った。

 「高校生や小学生の参加で新しい風が吹き込み、町民の関心も高まった」。同協議会イルミネーション班の 金中かなか 英明班長(71)はこう期待を寄せる。今年も制作予定で、「生徒たちは地域との関わりの中で成長する。その機会を与えてくれた協議会に感謝し、活動の輪を広げていきたい」と力を込める。(水原靖)

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