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岡山木村屋 県民の味

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岡山のパン

創業者の梶谷氏がオープンした1号店。看板には「岡山支店」と書かれている(岡山木村屋提供)
創業者の梶谷氏がオープンした1号店。看板には「岡山支店」と書かれている(岡山木村屋提供)

 目を引く黄色の看板

 街中で目を引く黄色の看板。パンといえば、「岡山木村屋」(本部・倉敷市)を思い浮かべる県民は多いだろう。そして、多くの業界関係者が「岡山のパン好きのルーツがここにある」と指摘する店でもある。

 「手前みそだが、県民のパン人気が高い理由のひとつは、うちが早い時期から安くパンを提供し、親しんでもらえたからかもしれない」。恐縮した様子でこう語るのは、同社の取締役部長の野崎雅行さん。ただ、歴史をたどると、あながち大げさとは思えない。

 創業は1919年(大正8年)。あんパンでおなじみの「銀座木村屋」で修業した梶谷忠二氏が地元に戻り、現在の岡山市北区表町に店をオープンしたのが始まりだ。当時はパンは珍しく、イースト菌ではなく酒の酵母で発酵させる「銀座」仕込みの「酒種あんぱん」は、たちまち人気となった。

 45年6月、太平洋戦争の岡山空襲で店舗が焼失したが、翌年には店を建て直して商売を再開した。50年、北区桑田町に大規模な工場を新築。おいしいパンを手頃な価格で供給する体制を整え、戦後の復興から高度成長にかけ常に人々に寄り添い続け、いつしか「ソウルフード」と呼ばれるようになった。

 「菓子」派の由来

人気のパンが並ぶ店内(岡山市北区で)
人気のパンが並ぶ店内(岡山市北区で)
発売当初の「バナナクリームロール」など(岡山木村屋提供)
発売当初の「バナナクリームロール」など(岡山木村屋提供)

 岡山市民の<菓子パン好き>も、このあたりに由来しそうだ。看板商品の「バナナクリームロール」は55年に販売が始まった。口に入れた瞬間広がるバナナクリームの甘さは多くの県民を魅了し、現在も売り上げのトップを誇る。当時、庶民には手の届かなかったバナナの味を楽しんでもらおうと、知恵を絞ったとされる。

 このほか、卵やマーガリンをたっぷり使った「スネーキ」や、銀座時代の手法を改良した「桜あんぱん」など、ロングセラーも多い。「銀座で学んだあんパンだけに頼らず、新商品をいち早く生み出したのは、先人に先見の明があった」と野崎さん。岡山木村屋と同様にのれん分けしたものの、廃業してしまった「銀座」系の店も各地で少なくないなか、県内を中心に約80店舗、年商60億円を誇る有数の企業としてたくましく営業を続けている。

 「大きな企業よりも、良い企業を」が同社のモットーで、県産の食材を使用するなど地域貢献も心がける。「これからもおいしいパンづくりを通して、食卓に元気をお届けできたら」と野崎さん。ぶれない信念と変化を恐れない精神が県民に愛され、ひいてはパン好き文化の後押しになったのかもしれない。(上万俊弥)

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使い方
1983405 0 New門@岡山 2021/04/14 05:00:00 2021/04/14 05:00:00 2021/04/14 05:00:00 創業者の梶谷氏がオープンした1号店。看板には「岡山支店」と書かれている(岡山木村屋提供) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/04/20210414-OYTAI50000-T.jpg?type=thumbnail

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