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希少県産小麦でもちもち

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岡山のパン

もんげー粉で焼いたパンで作ったつむぎコッペのサンドイッチ。香りと食感の良さが評判だという(岡山市北区で)
もんげー粉で焼いたパンで作ったつむぎコッペのサンドイッチ。香りと食感の良さが評判だという(岡山市北区で)
芦田さんが育てる小麦。生育状況は例年にないほど順調だという(津山市で)
芦田さんが育てる小麦。生育状況は例年にないほど順調だという(津山市で)

作付面積広がる

 全国有数のパン食の文化が根付く岡山で、原材料の小麦まで地元で作ってしまおうという動きがある。製パンに適した品種を育てることで、よりおいしいパンを焼き、さらなる消費につなげるのが狙いだ。

 「小麦の香りが立っている。北海道産にも品質は負けていない」。そう語るのは、コッペパンで作るサンドイッチが人気の「つむぎコッペ」(岡山市北区)を経営する石戸紀代美さん(54)。同店は2019年4月の開店以来、県産小麦100%のパンを使っており、客からは「もちもちでおいしい」と評判だという。

 国内で使われる小麦粉の9割近くは海外産。数少ない国内産は6割以上が北海道で作られており、県産は1%にも満たない。だが、製パンに適した「せときらら」が登場し、ほんの少しずつだが状況に変化が表れている。JA晴れの国岡山の「津山広域営農経済センター」によると、県内のパン店からの要望をきっかけに、16年から津山市を中心に本格的な栽培が始まった。当初の作付面積は約5000アール程度だったが、現在は8600アール以上に広がった。

たんぱく質12%以上

 せときららの最大の特徴は、たんぱく質の含有率だ。菓子などにしていた従来の県産品種が8~9%程度なのに対し、せときららは12%以上あり、もちっとした食感に仕上がる。倉敷市の製粉会社「小田象製粉」はその特性を生かし、17年からパン専用の小麦粉「もんげー粉」の販売を開始。そのおいしさは口コミで広がり、希少性と相まって品薄状態が続いている。

 しかし、せときららは高品質な反面、育てるのは簡単ではない。JAの担当者は「肥料を多くすれば収穫やたんぱく質の量を増やせるが、育ち過ぎて麦が倒れることもある。さじ加減が難しい」と話す。それでも作付面積が増えているのは、情熱をささげる人がいるからに他ならない。

 4月上旬、津山市では大人の膝の高さほどに育った小麦が、風に揺れていた。麦栽培のベテラン・芦田創さん(73)は「今年は順調やな」と、6月に収穫予定の畑をいとおしそうに見つめていた。

 芦田さんによると、せときららは水はけが悪い土地ではうまく育たず、収穫量や品質にばらつきが出る。そうなると、せっかくの評判に傷が付きかねない。「自分の畑だけ良ければではなく、地域全体で安定して生産できないと」と、地元農家への指導役も担う。

 忙しい日々だが、「この小麦から作ったパンがおいしければ原料にも注目が集まり、作付けする人が多くなり、収穫量も増加する。相乗効果で良さを知る人が増えれば」と芦田さん。おいしいパンを届けたいという一念で、今日も麦畑に足を運ぶ。(松本慎平)

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1986635 0 New門@岡山 2021/04/15 05:00:00 2021/04/15 05:00:00 2021/04/15 05:00:00 もんげー粉で焼いたパンで作ったつむぎコッペのサンドイッチ。香りと食感の良さが評判だという(岡山市北区で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/04/20210415-OYTAI50002-T.jpg?type=thumbnail

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