吉備線LRT化 協議中断
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2市とJR西 コロナ収束後 再開検討


岡山市と総社市を結ぶJR吉備線(全長20・4キロ)のLRT化に向けて協議を続けていた両市とJR西日本が9日、基本計画策定の協議を中断すると発表した。新型コロナウイルス感染拡大の影響による3者の財務状況の悪化などが理由で、新型コロナ収束後に協議再開を検討するとしている。
9日に岡山市の大森雅夫、総社市の片岡聡一の両市長と、JR西日本岡山支社の平島道孝支社長が会談して基本計画の策定中断を決めた。
吉備線のLRT化は、2003年、JR西が採算の厳しい路線維持を目的に検討を始めたことをきっかけに岡山市、総社市も交えて協議をしてきた。18年4月に、初期費用約240億円のうち、約70億円を岡山市、約21億円を総社市、約58億円をJR西がそれぞれ負担し、残りは国の補助などを活用することで3者合意に至った。
このとき、おおむね28年までのLRT化を目指し、19年度中に基本計画をまとめるとしていたが未策定となっていた。
大森市長らは会談後、記者会見を行い、新型コロナの影響で、両市が大幅な税収減になったと説明。平島支社長も、利用客が大幅に減少しているとした。
その上で、大森市長は「中止ではなく中断。LRT化が重要であるとの認識は変わらない」と強調。片岡市長は「協議再開は1年後にコロナが収束していることが最低条件」と述べた。平島支社長は「持続可能な交通体系を構築する考えに変化はない。アフターコロナに向け、ニーズの把握に努めたい」と語った。
<LRT>
「Light Rail Transit(ライト・レール・トランジット)」の略で、騒音や揺れを抑えた次世代型路面電車。低床化された車両で乗り降りしやすく、小型な車両を使うため駅も小規模で済み、設置コストも抑えられる。