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岩瀬さん「とても光栄」

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坪田譲治文学賞 贈呈式

 第36回坪田譲治文学賞の受賞作に、岩瀬成子じょうこさん(70)の「もうひとつの曲がり角」(講談社)が選ばれた。岡山市の市民文化ホールで行われた贈呈式で、岩瀬さんは「受賞できてとても光栄」と喜びを語った。(坂下結子)

 同文学賞は同市出身の小説家・児童文学作家で、名誉市民の坪田譲治氏(1890~1982年)の業績をたたえるため、1985年度から毎年開催されている。「大人も子どもも共有できる世界」を描いた作品に贈られ、昨年8月末までの過去1年間に出版された児童文学や小説が対象。過去には阿部夏丸さんの「泣けない魚たち」(ブロンズ新社)や重松清さんの「ナイフ」(新潮社)などが選ばれている。

 2月20日の贈呈式では、岩瀬さんに賞状とメダル、副賞100万円が贈られた。岩瀬さんは「子どもの時に見聞きしたことは、大人になっても生きているということを考えて執筆した」と語った。選考委員のひとりで、作家の森絵都さんは「高い文章力で正確な描写。新型コロナウイルスで汲々きゅうきゅうとする今の時代に、風を吹き込んでくれる」と講評した。

受賞作「もうひとつの曲がり角」への思い

 受賞した岩瀬さんに作品への思いを聞いた。

受賞を喜ぶ岩瀬さん(岡山市北区で)
受賞を喜ぶ岩瀬さん(岡山市北区で)

 受賞作「もうひとつの曲がり角」は、市の東側のマンションから西側の一軒家に引っ越した小学5年生の「朋」が、主人公の物語。理想の家での新生活に張り切る母親との小さなすれ違いや、通い始めた英会話スクールでの慣れない英語に戸惑う朋は、ふとしたことで朗読好きのおばあさん「オワリさん」と出会う。

「立ち止まって楽に」伝えたい

 2人は時間を超えて交流し、互いを少しずつ変える。「過去と現在はさりげなくつながっている。壮大ではない、不思議な物語を書きたかった」という。物語の終盤で、朋は一つの決断をする。「大人は何でも『やれるところまで頑張ってから諦めたらいい』というけれど、道に終わりはなく、続けるのはしんどいこと。ちょっと立ち止まって楽になってもいい」というメッセージを込めた。

 子どもの頃の岩瀬さんは、ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」などを愛読する少女。「男の子とけんかするくらい活発だった」という一方、自分の気持ちをうまく伝えられず、もどかしい気持ちになるなど、内向的な部分もあった。そのため、作品を書く際はおしゃべりな子、乱暴な子というようなレッテルは貼らないようにしているという。

 山口県出身。23歳の時、今江祥智さんの講演を聴いたのをきっかけに小説家を志した。1978年「朝はだんだん見えてくる」で日本児童文学者協会新人賞を受賞してから40年以上、物語を創り続ける。これまで出版した作品は約50作で、多くは子どもが主人公の物語だ。「自分の子ども時代は何だったんだろう、と思うと分からないことが多いから、書き続けている」

 作品を書き終えると「もっと別の書き方があったのでは」と、宿題を課された気持ちになるという。「読んだ人が刺激を受け、自分で何かを考えるきっかけになる作品を書いていきたい」と話す。

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1881567 0 ニュース 2021/03/03 05:00:00 2021/03/03 05:00:00 2021/03/03 05:00:00 受賞を喜ぶ岩瀬成子さん(岡山市北区で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/03/20210302-OYTNI50028-T.jpg?type=thumbnail

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