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特製グラブ 第2弾完成

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和気閑谷高球児

 体にハンデがあっても野球が楽しめるよう、特製のグラブ開発に取り組む県立和気閑谷高校(和気町)の野球部が、岡山市内の野球用品店と協力し、新たな障害者用グラブを考案した。同部や関係者が特製グラブを手がけるのは、昨年に続き2回目。(下林瑛典)

職人と協力 握力弱くてもキャッチ

グラブの使い方を箕輪さん(中央)に教える森川さん(岡山市中区で)
グラブの使い方を箕輪さん(中央)に教える森川さん(岡山市中区で)

 特製グラブが届けられたのは、障害者野球チーム「岡山桃太郎」に所属する倉敷市の高校1年箕輪遥介さん(15)。箕輪さんは手足の筋力が弱る国指定の難病「シャルコー・マリー・トゥース病」を患っており、握力は右が1キロ、左も2キロしかない。一塁手のため、送球の負担は少ないが、ゴロの捕球が悩みだった。握力が弱いため打球をしっかりつかめず、ボールを、時にはグラブごと落としてしまうことがあったからだ。

 そんな箕輪さんにぴったりのグラブを贈ろうと動いたのが、岡山桃太郎と合同練習をする同高野球部だった。野球部は昨年、岡山市中区の野球用品店「タカギスポーツ」と協力。生まれつき左手首から先がない障害者野球日本代表のエース・早嶋健太さん(25)に、左手首を差し込めるポケットがある特製グラブを届けたことがあった。

完成したグラブ。網目の部分にストッパーが付いている(岡山市中区で)
完成したグラブ。網目の部分にストッパーが付いている(岡山市中区で)

 合同練習で箕輪さんが苦心する様子を見た野球部員が話し合いを重ね、「自動で開閉するグラブがあればプレーしやすくなる」などのアイデアをまとめた。それを、早嶋さんのグラブも作った同店のオリジナルブランド「ロマネクロウ」の職人森川徹也さん(33)に伝えた。

 難しい注文だったが、森川さんは「道具が理由で野球をあきらめる人を減らしたい」と、野球部員のアイデアをもとにグラブ作りを今年の春から開始。革を従来より薄く削り、グラブの網目部分の上部にはボールが引っかかるようなストッパーも取り付けるなどの工夫も凝らした。軽く柔らかいグラブにすることで、握力が弱くてもボールが捕れるよう仕上げた。

 費用面を支えたのは、箕輪さんの仲間たちだった。岡山桃太郎の支援者らがクラウドファンディング(CF)で目標を超える約55万円を集め、製作費をまかなった。野球部員はCFの返礼品にするため、グラブ製作の際に生じる革の端材でブレスレットやキーホルダーを作った。

 グラブは5月に完成。箕輪さんは現在、レギュラーとしての試合出場を目指し、新しいグラブで猛練習に励んでいる。「多くの人からの支援に感謝している。プレーで恩返しするため、早嶋さんのように日本代表として世界を相手に戦ってみたい」と笑顔で語った。

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2151125 0 ニュース 2021/06/24 05:00:00 2021/06/24 05:00:00 2021/06/24 05:00:00 グラブの使い方を箕輪さん(中央)に教える森川さん(岡山市中区で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210624-OYTNI50003-T.jpg?type=thumbnail

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