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<豪雨3年>防災活動 コロナの壁

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避難訓練停滞■関連催し中止

「コロナ禍でも、何かできることを」と語る多田さん(倉敷市真備町で)
「コロナ禍でも、何かできることを」と語る多田さん(倉敷市真備町で)

 新型コロナウイルスの影響が、西日本豪雨の教訓を生かそうと防災活動に取り組む倉敷市真備町の住民に及んでいる。感染時のリスクが高い高齢者が多く、訓練や避難所確保の活動が停滞。関連イベントも中止になった。それでも、住民は「少しでも何かできないか」と葛藤しながら、現状でも実施可能な訓練などを通し、意識向上に努めている。(上万俊弥、岡さくら)

真備住民「何かできないか」

 「身動きができない。本当にもどかしい」。精神障害を持つ人向けに、グループホームなどを運営しているNPO法人「岡山マインド『こころ』」の多田伸志代表(60)が、真備町の事務所で苦しそうに語った。

 真備町で豪雨で亡くなった51人のうち、多くが高齢者。多田さんは「いざという時、避難を呼びかけられるのは顔見知りの人間。地域全体で、日頃から顔が見える世代を超えた関係を作らなくては」と痛感。多田さんも所属する町内の福祉や医療、行政機関などでつくる「真備連絡会」が昨年10月に策定した、要支援者用の避難行動計画を防災訓練や講演会を通じ周知しようとしていた。

 ところが、その直後から新型コロナの感染が再拡大。講演会など、イベントは全て白紙となった。要支援者の避難先として交渉していた病院や高齢者施設も受け入れ不可に。外出自粛で交流が減り、アルコール依存で体を壊した住民も出てしまった。「戻りかけていた地域のつながりが消えつつあるのに、何もできない」と無力感が募った。

 それでも、今月18日には、毎年開催していたミュージシャンを呼んでのコンサートを、規模を縮小して行う。多田さんは「コミュニティーの復興のために、顔を合わせて悲しみや苦しみを共有し、また頑張ろうと思える場所が必要」と準備を進めている。

黄色い布安否確認

 5月、真備町川辺地区の民家の軒先に、「無事です」と書かれた黄色い布が結びつけられていた。ボランティア団体「川辺復興プロジェクトあるく」が行った、接触を最小限にしながらできる安否確認の訓練だ。

 同団体が川辺地区の町内会と協力し、1341軒にたすきを事前に配布。玄関など目立つところに結びつけてもらい、町内会役員らが見回ることで、避難したかどうかを知らせるというもの。

 その後、オンラインで報告会を実施。予想を超える65・8%(882軒)が参加したほか、一人暮らしの高齢者から「地域の人とつながっている感じがして、不安な気持ちが軽減した」との声も上がった。

 感染拡大で訓練の打ち合わせも満足にできず、どれだけの協力が見込めるか見通しがつかなかったが、高い参加率に、団体代表の槙原聡美さん(41)は「今回の訓練で、声かけしやすい環境が作れた。災害もコロナも正しく恐れて、できることには取り組む」と語った。

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2192253 0 ニュース 2021/07/09 05:00:00 2021/07/09 05:00:00 2021/07/09 05:00:00 「コロナ禍でも、何かできることを」と語る多田さん(倉敷市真備町で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210709-OYTNI50008-T.jpg?type=thumbnail

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