<阪神大震災 27年>災害備え 万全の準備を

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救助活動経験 西日本豪雨に

 阪神大震災から17日で27年。あの日、県から被災地に向かった人々は多大な犠牲に直面し、少なくない教訓を得た。救助のため神戸に入った県警の橋本誠司警視(57)もその一人。「命を救うには、平時からの体制づくりが大切」と、今後起こりうる災害現場での心構えを若手に伝えている。(岡さくら)

県警・橋本誠司警視

阪神大震災の教訓を伝えている橋本警視(岡山市北区で)
阪神大震災の教訓を伝えている橋本警視(岡山市北区で)

 県警機動隊員だった橋本さんは、岡山市内の自宅で就寝中、経験したことのない揺れを感じ、横で寝ていた妊娠中の妻をかばおうと覆いかぶさった。県警への応援要請はその日のうちにあり、翌日には被災地に入った。

 たどり着いた神戸市須磨区では道路は波打ち、家屋から火の手が上がっていたが消火活動もできない状態で、周囲はガスと煙の臭いが漂っていた。警察官として非常時に対する心構えはできていたつもりだったが、経験したことのない被害を前に、現実に起きたことと理解するのが難しかった。

 それでも「冷静に」と言い聞かせ、分隊長として指揮を執った。傾いたマンションからの避難誘導にあたり、倒壊した家屋から住民を救助した。住み慣れた家を離れたくないと渋る住民に対して「ここは危険ですから」と何度も説き伏せた。「無我夢中だったけれど、二次被害を出すわけにはいかないと必死だった」と、泥とススまみれになりながら1週間、任務に集中した。最終的に、県警の応援部隊は6人を救助できたが、収容した遺体は25人にのぼった。

 混乱を極めた被災地で得た教訓は「予想外の現場ほど、瞬時に正しい判断を求められる」。あらゆる事態を想定して訓練をしても、現実がそれを超えてくることを痛感した。その後は警察署の地域課長や、警察学校の教官といった若手警察官を指導する立場を歴任した。どの職場でも部下には平時から準備を怠らず、その時々で全力を尽くすことが大切だということを伝えるようになった。

 2018年の西日本豪雨の際は、他県からの応援部隊を被災地に案内する役割を担った。土地鑑のない他県での応援の大変さ、限られた装備での救助活動の難しさを阪神大震災の現場で経験したことをいかし、宿舎の手配などの後方支援は可能な限りきめ細かく行った。

 現在は全国の大規模な警備や災害に対応する中国四国管区機動隊の大隊長として、有事に備えている。「若い警察官には、命を救う仕事を誇りに思ってほしい。危機感を持って有事に備えるため、27年前の経験を次の世代に伝えたい」と橋本さん。17日は地震が発生した午前5時46分に合わせ黙とうし、気持ちを新たにした。

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2681838 0 ニュース 2022/01/18 05:00:00 2022/01/18 05:00:00 2022/01/18 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/01/20220117-OYTNI50050-T.jpg?type=thumbnail

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