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「風の葉」有効活用提案

真庭市・蒜山高原の観光文化発信施設「GREENable HIRUZEN(グリーナブルヒルゼン)」で、初めての結婚式が行われた。同市内での挙式を提案しているグループ「まにわブライダルプロジェクト」と真庭観光局が、新郎、新婦の相談を受けて企画。昨夏のオープン以来、施設は見学が中心だったが、観光と結婚を結びつけた新たな活用策としての期待も高まっている。(根本博行)
式を挙げたのは、同市在住の新郎(24)と新婦(22)。同じ会社に勤めていて、職場の懇親会がきっかけで交際するようになった。当初は、結婚式はせず、ウェディングドレスやタキシードを着て写真に納まる「フォト婚」を行う予定だった。
同プロジェクトは同市内の美容院や写真店、挙式会場、寺社など約50団体で結成。「まにわ婚」として湯原温泉の旅館やコスモスが咲く広場、重要文化財の旧遷喬尋常小学校などでの挙式を企画しており、メンバーのブライダルコーディネーター・桜井彩子さん(46)が2人にグリーナブルヒルゼンでの挙式を打診。真庭観光局とともに、施設を所有する市などに働きかけて実現した。
式は20日、両家の家族ら10人が参列して、CLT(直交集成板)の<葉>がスパイラル状に舞い上がる様を表現した、施設を象徴するパビリオン「風の葉」で行われた。新郎、新婦は誓いの言葉の後、誓約書に署名し、色とりどりのシャクナゲを浮かべた池の前で参列者全員と記念撮影。環境に優しい紙風船を飛ばすなどし、永遠の愛を誓い合った。
式後、2人は「最初の結婚式と聞いてここに決めた。こんなきれいな場所で式を挙げられて幸せ」と笑顔で語った。式に尽力した桜井さんは「涼しくて風がよく通り、蒜山の大自然を感じられた。インスタ映えもするし、すごく良かった」と話していた。
風の葉はこれまで、見学以外ではフォーラムやトークイベント、パラリンピックの採火式に使われた程度といい、施設を所有する市は「結婚式という提案はありがたい」と感謝。「今後も色々な方々にアイデアを出していただき、風の葉の有効活用策を探っていきたい」としている。
同プロジェクトと観光局は今年度、モニタープランとしてこの施設で挙式するカップルをあと9組募集している。費用は衣装や美容、写真、音響などを含めて27万5000円(税込み)。問い合わせは同観光局(0867・45・7111)。