豪雨の経験 1冊に

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真備のNPO代表・片岡さん

「災害前よりよいまちをつくることが復興」と話す片岡さん(倉敷市真備町で)
「災害前よりよいまちをつくることが復興」と話す片岡さん(倉敷市真備町で)

 2018年7月の西日本豪雨で被災した、倉敷市真備町の訪問看護事業を行うNPO法人の代表が、経験を本にまとめて出版した。著書には被災直後に利用者の安否確認に奔走したことや、復興支援の過程が時系列でまとめられており、災害時の看護に求められるものを知ってほしいとしている。(下林瑛典)

災害時看護 対応など

 執筆したのは、同町を中心に訪問看護や介護事業を行うNPO法人「そーる」の片岡奈津子代表(47)。総務省の地域力創造アドバイザーとして、地域振興や被災地支援を手がける尾野寛明さんとともに、4月、「災害看護でまちづくり」(木星舎)を出版した。

 片岡さんは16年、同法人を設立し、訪問看護事業に着手。開設から2年で利用者が20人を超えるなど、軌道に乗り始めた18年7月6日、同町を豪雨が襲い、事業所だけでなくスタッフや、利用者の多くが被災した。

 片岡さんの真備の自宅も浸水被害を受けたが「体が不自由な人が多い。放っておけない」と、直後から利用者の安否確認を開始。幸い、豪雨による犠牲者はおらず、数日後には仕事でやりとりがあった総社市内の医院の一部を間借りして、事業を再開した。

 並行して、利用者以外の高齢者や新生児を抱える在宅避難者らに、日用品を支援物資として届けた。その過程で「地域の住民と新しいまちづくりをしていきたい」と考え、交流の場として物資配布日にお茶を飲みながら交流するカフェを開設。住民が集まり防災や健康管理について語り合う場を提供した。カフェでは、災害時の高齢者や障害者の避難支援などを話し合い、国や自治体に検討した内容を伝えた。

 豪雨以降、全力で走り続ける片岡さんに、活動を通じて知り合った尾野さんらが「この経験は他の人にも伝えた方がいい」と勧め、書籍化することが決定。自身の経験のほか、県内の医療やボランティアの専門家にもインタビューを行い、1冊の本にまとめた。

 「災害時、柔軟な支援ができる看護人材の育成が必要」と片岡さん。著書を県看護協会を通じ、県内の看護師養成施設などに寄贈しており「病気に関わるだけが看護ではない。中長期的な支援も含め、災害看護だということを知ってもらいたい」と話している。

 「災害看護でまちづくり」はA5判197ページ。定価1650円(税込み)。問い合わせは同NPO(086・697・0823)。

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