ブランド豚「疎開」作戦、船で沖縄離島へ

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沖縄本島から離島の久米島に避難するアグーの繁殖豚(3月14日)
沖縄本島から離島の久米島に避難するアグーの繁殖豚(3月14日)
アグーを載せて久米島行きのフェリーに乗り込む家畜運搬車(那覇市の泊港で)
アグーを載せて久米島行きのフェリーに乗り込む家畜運搬車(那覇市の泊港で)

 ウイルスから大事な家畜を守ろう――。といっても、新型コロナウイルスの話ではない。家畜伝染病「CSF(豚熱=とんコレラ)」のウイルスに対し、ブランド豚の「種の保存」をかけた闘いが各地で始まっているのだ。(内本和希、矢野恵祐)

◆アグー

 「ぶー、ぶー。ぶーー」。那覇市のとまり港に鳴き声を残し、1頭ずつオリに収まった繁殖用のアグー4頭がフェリーに積み込まれて旅立った。3月14日のことだ。行き先は西に約100キロの久米島という。

 アグーは沖縄県に固有のブランド豚で、その脂の甘みとうまみから全国に名がとどろいている。

 沖縄県内では、年明けから10か所の養豚場などでCSF感染が見つかり、計約1万2000頭の豚が殺処分された。観光客らの行き来によってCSFウイルスの感染が広まり、アグーが全滅しかねない。そんな危機感を抱いた県は、繁殖豚を離島に隔離することを決めた。

 県の担当者は「希少なアグーを少しでも感染リスクの低い離島で管理し、ウイルスの脅威から守りたい」と話す。3月中に雄14頭、雌11頭を移送した。

◆臨時豚舎

 こうした“疎開作戦”は各地で進められている。

 岐阜県は豊富な霜降りと柔らかい食感が人気の豚肉ブランド「ボーノポーク」などの繁殖豚を飼育する。ところが、2018年12月に県畜産研究所で感染が検出され、所内の全頭を処分することに。県は未感染の岐阜県海津市に約3000万円をかけて臨時の豚舎を建設し、別の農場からボーノポーク用の雄3頭、雌2頭を移した。

 未感染の自治体も備えを固めている。茨城県は「常陸の輝き」「ローズポーク」などになる繁殖豚の一部を、県養豚研究所から民間農場4か所に引っ越しさせた。これまでに雄2頭ずつ、雌5頭ずつの計28頭を分散させ、県の担当者は「CSFだけでなく、ワクチンのないASF(アフリカ豚熱=アフリカ豚コレラ)がやって来ても子孫を残せる」と言う。

◆受精卵凍結

 種豚の精液や受精卵を保護し始めた自治体もある。

 愛知県では、きめが細かく柔らかい「みかわポーク」などの繁殖豚の受精卵を凍結保存する取り組みを昨年7月に始めた。約90頭分の誕生に必要な受精卵の備蓄を目指す。

 愛媛県でも、「愛媛あまとろ豚」の繁殖豚の精液の凍結保存を昨年12月にスタート。感染が広がった場合は、養豚農家へ精液を約2年間供給できる量を確保する。県の幹部は「凍結した遺伝資源があれば、生産再開が可能になる。万が一の『保険』として準備したい」と語った。

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1145538 0 ニュース 2020/04/02 15:00:00 2020/04/03 09:57:44 2020/04/03 09:57:44 久米島に避難するアグー(14日、那覇市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/04/20200403-OYTNI50010-T.jpg?type=thumbnail

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