精神科、院内感染対策に苦慮…マスク徹底困難、窓全開できず

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 新型コロナウイルスの感染拡大が続く沖縄県で、精神科病院が院内の感染対策に苦慮している。患者にマスク着用などの対策を徹底させるのが難しい上、同県では医療従事者が感染したり、濃厚接触者になったりするケースが目立っており、出勤の可否をより慎重に判断する必要があるためだ。こうした中、感染者の専用病床を設けるなど新たな対応に乗り出した病院もある。(島田愛美)

 同県 金武きん 町の「琉球病院」では今月に入って医療従事者の感染が確認され、26日現在、看護師ら3人が感染。医療従事者らや家族が濃厚接触者になることも多く、一時は10人以上が欠勤した。

 花木成信事務部長は「家庭内で感染したり、濃厚接触者になったりするケースが大半。家庭がある人は緊張感の中にいる」と明かす。県は濃厚接触者となった医療従事者に対し、毎日の検査で陰性確認をすれば接触翌日から復帰可能としているが、同院はウイルスが院内に持ち込まれる危険性を少なくするために、最低10日間の自宅待機を指示しているという。

 慎重になる背景には、精神科ならではの事情がある。マスク着用や手指消毒を徹底させるのが難しく、事故防止のために全開しない窓では十分な換気ができない。ベッド間を仕切るカーテンがなく、 飛沫ひまつ を防ぎにくいなど建物の構造的な問題もある。いったん感染者が出ると、患者が病棟内を歩き回り、感染を広げる恐れがある。

 精神科の患者は感染しても転院先が見つかりにくいことから、同院は昨年11月、一つのフロアをコロナ専用病床(8床)にした。ただ、感染症専門の医師や看護師がおらず、設備も不十分なため、重症化した場合に対応できないという課題が残る。

 昨年7月、大規模なクラスター(感染集団)で職員26人を含む計200人が感染、患者71人が死亡した同県うるま市の「うるま記念病院」は、感染者の隔離用に四つの個室を新設した。担当者は「長期入院で体力が低下した患者も多く、感染した場合の重症化が心配」と不安を募らせる。

 昨夏の「第5波」では、県内5か所の精神科病院で15~200人のクラスターが相次いで発生した。県はクラスターを未然に防ごうと、今月12日から精神科を含む40の医療機関の全患者に対するPCR検査を開始。2週間に1度のペースで行い、感染者の早期発見を目指す。

 感染拡大の防止策として、ワクチンの3回目接種にも期待が集まる。県ワクチン接種等戦略課の安里龍児主管は「3回目接種に迅速に対応できるよう、国にはワクチンの適切な配分をお願いしたい」と訴える。

 日本精神神経学会の理事を務める福岡大病院の 川嵜かわさき弘詔ひろあき 医師は、「精神疾患は患者とのコミュニケーションが中心の治療もあり、接触が欠かせない。高齢や基礎疾患で重症化リスクが高い人も多く、全国の自治体はワクチンの早期接種や病床確保の準備を進めてほしい」と話している。

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