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    <空中編>空抱く棚田

    • 今年も早乙女の田植えが華やかに行われた(千早赤阪村で)
      今年も早乙女の田植えが華やかに行われた(千早赤阪村で)

     あかね色に染まる棚田が撮れると聞いて、暮れ始めるのを待って小型無人機(ドローン)を飛ばした。写っていたのは意外にも、瑠璃色の幾何学模様だった。

     千早赤阪村にある「下赤阪の棚田」は代かきが終わり、水が張られたばかりだった。たまたま、夕日を水面みなもに投射する雲がなく晴れわたっていたから、薄暮の空の色をそのまま借りていた。

     棚田は農村の原風景だが、全国で減り続けている。室町時代から続くというここの棚田を守る農家でも高齢化が進んで、遊休地が出てきた。

     田の所有者らは保存会を発足させ、2013年、着物に赤いたすきをつけた「早乙女」による昔ながらの田植えを復活させた。今年から、出資すれば稲作体験が楽しめる「オーナー制」を始め、府内の老若男女が集うようになった。

     府立大の辻本早紀さん(20)は、保存会を手伝う若手の1人だ。「米1粒を作るのにもたいへんな労力がいることを、ここで教えてもらった」と話す。

     盛夏になれば緑に輝き、秋には金色の稲穂に満たされるだろう。いずれまた、夕焼けの色を探しに訪れよう。(尾崎孝)

    2018年06月17日 05時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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