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    <空中編>無機質一変光の粒

     「工場夜景という言葉がない時代から、若い人のデートスポットでした」

     高石市出身で、高石商工会議所経営支援課長の山田珠美さん(47)が目を細めた。

     堺、高石、泉大津各市の臨海部に広がる堺泉北臨海工業地帯で、恋人たちを夢中にさせるという夜景を、小型無人機ドローンを使って空から眺めてみた。

     日没前、ドローンが捉えたのは色彩を欠いた製油所や化学工場の設備が写るだけの、無機質な映像だった。闇に包まれるにつれ、車のライトが流れる阪神高速湾岸線の向こうに、黒いキャンバスに白やオレンジ色の光の粒をまぶしたような情景が広がった。

     高石商工会議所は、2012年から工業地帯で夜景ツアーを催している。工場の敷地から夜景をめでるという珍しさから、常に定員の数倍に上る応募があるという。堺市も昨年から高石市と合同ツアーを始めた。

     高石、堺両市は11年から開催されている「全国工場夜景サミット」に昨年から正式に参加し、日本10大工場夜景に名を連ねている。来年のサミットは両市で開催される予定だという。

     高石市総合政策課の浜田太郎さん(27)も市出身。感慨深げに言った。「子どもの頃からなじみ深い景色だけど、夜景というフィルターを通すと、工場も魅力を放つようになりますね」(尾賀聡)

    2018年07月21日 05時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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