貧困家庭対象 IT教室

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高校生の学習支援をするNPO法人理事長 平井大輝さん 26

 大阪市淀川区のNPO法人「CLACK(クラック)」の平井大輝理事長(26)は、貧困家庭の高校生を対象に、パソコンのプログラミング講習を無料で行い、学習支援をしています。経済的に苦しかった中高生時代の経験から、同じような環境の高校生にIT技術を身につけてもらい、自らの力で未来を切り開いてほしいと願います。

 CLACKは2018年に設立しました。週2回、夜間に3時間の授業を半年間行い、ホームページの作成などを教えます。授業料は無料で、ノートパソコンも1人1台支給します。

 「生まれ育った環境に関係なく、子どもが将来に希望をもち、ワクワクして生きていける社会の実現」との思いで設立しました。

 活動運営費は、日本財団の助成金や民間企業の寄付金で賄っています。講師には、知り合いのIT企業の社員や大学生がボランティアで駆けつけてくれます。高校生に支給するパソコンは、民間企業が不要になったものを寄贈してくれたもので、講習期間が終了すれば、高校生にプレゼントしています。

 活動のきっかけは、自らの経験が深く関係しています。大阪市淀川区で、うどん店を営む父親と母親、3人きょうだいの家庭で育ちました。中学1年まではごく普通の生活でしたが、2年の時に父親が店をたたみ、両親は離婚。多額の借金を抱えた父親と暮らすことになり、生活が一気に苦しくなりました。

 家の電気やガスは、使用料が支払えずにたびたび止まりました。中学の野球部で試合に行く交通費や食費がない日もありました。

 こうした経験から、進学した大阪府立大では、貧困家庭の子どもを支援するNPOの活動に参加しました。活動した3年間で、自分と似たような境遇の子どもや引きこもりの子どもらと出会いました。

 家庭が貧しいからといって、お金だけ援助しても貧困の連鎖から抜け出せません。支援活動の経験から、教育を通して社会で自立できる力や知識を養う必要性を感じるようになりました。そうした支援ができる組織をつくろうと、大学4年になる前に1年間休学し、支援のあり方を考えました。そして、将来企業などで幅広く活用できるプログラミングを教える団体をつくることを決め、これまで活動してきた仲間たちとCLACKを発足させました。

 活動は今年で4年目となり、これまでに100人以上が受講。企業のインターンに参加して活用したり、学童保育で小学生に教えたりする高校生もいます。

 参加する高校生の中には、貧困問題だけではなく、コミュニケーションや引きこもりなどの課題を抱える子もいます。半年間の講習で様々な人と関わってもらい、それらの課題の克服も目指しています。「大人が嫌いだったけど、多くの大人と関わり、信用していいんだと思えた」と話してくれる参加者も出てきました。

 今後は東京や他の地域にも活動の幅を広げ、より多くの高校生を支援していきたいと思っています。家庭環境に恵まれていなくても、誰にでもチャンスはあります。困った時には誰かを頼れるようになってほしい、と願っています。(聞き手・杉山弥生子)

 ◆大阪市淀川区出身。2020年、大阪府立大工学域卒。CLACKでは、プログラミングだけでなく、様々な分野で活躍する社会人や大学生にこれまでの経験を語ってもらう機会も設ける。

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