歴史知れば街に愛着

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松原市文化財保護審議会長 西田孝司さん 73

「松原市の歴史を知ってもらいたい」と話す西田さん(松原市で)
「松原市の歴史を知ってもらいたい」と話す西田さん(松原市で)

 自分が住む街の歴史を知っていますか。古代から続く歴史を深く知れば、街への愛着も深まるはず。松原市文化財保護審議会長の西田孝司さん(73)は古代から近現代までの市史をまとめたほか、市の広報紙で約25年、市の歴史を紹介する連載を続けています。「歴史を知ることで松原に誇りを持ってもらいたい」と願いながら活動に励んでいます。

 大和川の南側にある松原市の中に細長い大阪市域があることを知っている人は多いと思いますが、川の北側の一部にも松原市域があることはあまり知られていません。江戸時代に川の付け替え工事を行った際に残った地域です。地元の人にはそういう歴史を知っていただきたいですね。

 専門は天皇陵古墳の研究です。発掘調査ではなく、江戸時代以来の絵図や地元に伝わる 地方じかた 文書などからアプローチし、分析する方法で研究してきました。雄略天皇陵(羽曳野市)が幕末に円墳から前方後円墳のような形に改変された経緯を解き明かしました。仁徳天皇陵(堺市)も今では数え切れないくらいの木が植えられていますが、明治時代に19万本の植林をしたという記録もあります。

 中学生の頃、母方の祖父の影響で歴史に興味を持ちました。関西大では、高松塚古墳の発掘で知られ、考古学者として初めて文化勲章を受章した末永雅雄先生のもとで学びました。

 松原市の歴史研究に関わるようになったのは1970年。発足した松原市の市史 編纂へんさん 室で調査研究をやるよう、末永先生に勧められたからです。私の専門は日本古代史で松原市史は専門外の分野でしたが、考古学の第一人者にもかかわらず、古武道や 有職故実ゆうそくこじつ などありとあらゆる分野に造詣が深かった末永先生の影響もあり、私自身もいろいろなことに興味を持ちました。

 市内の寺社や旧家を回り、資料集めから始め、大学講師や研究員を続けながら調査に取り組みました。最初のころは手探りで始まりましたが、古代から近現代まで、様々な新しい発見がありました。

 97年から市の広報紙で連載「松原歴史ウォーク」を掲載して約25年になります。今年の11月号で292回を数えました。

 今までわかっていなかったことを自分で探して研究し、紹介してきました。国民栄誉賞受賞者で歌手の藤山一郎(1911~93年)の未発表曲の楽譜を市内の旧家から発見したことも取り上げました。これまでに様々な話題で松原市民だけでなく、ネットで見た全国各地の人からの問い合わせもあります。好きなことだから苦になりません。好奇心がどんどん湧いてきます。

 自分が勉強するだけで満足するのではなく、多くの人に知ってもらいたいです。これからも、仲間の力を借りながら、生まれ育った松原の歴史、文化、産業、自然など、広く発信していきたいと思います。(聞き手・南恭士)

 ◆1947年、松原市生まれ。関西大大学院修士課程修了。天皇陵古墳研究者として文化財保存全国協議会常任委員などを務め、天皇陵古墳の公開運動などに関わった。現在は松原市社会教育委員長や市観光協会運営委員長も務める。

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