心休まる場所 母子に

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「赤ちゃんからのESDcoral」代表 北山悠さん 42

 北山悠さん(42)は、子育て中の母親を支援する豊中市の団体「赤ちゃんからのESD coral」の代表です。親子参加のワークショップ開催などを通じて“心休まる居場所作り”を進めています。

 団体名にある「ESD」は、環境問題など地球規模の問題を解決する人材を育成する「持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development)」を意味します。「coral」は英語で「サンゴ」。古来、魔よけや厄よけとして使われてきたことから、孤独を感じる母親の「お守り」のような存在になれればとの願いが込められています。

 設立は2006年。前任の代表の方に頼まれ、代表を引き継ぐ形で20年から活動に加わりました。早速「お絵描きワークショップ」を企画しましたが、その後すぐに新型コロナウイルスの感染が拡大し、こうしたイベントの開催は困難に。それでも、ウェブ会議システム「Zoom(ズーム)」を活用し、助産師さんらに悩み事を質問したり、アドバイスをもらったりする機会を毎週のように設けています。参加した母親の一人が「本当に助かります」と言ってくれたのはうれしかったですね。

 子育て支援を始めるきっかけは約20年前、夫の赴任先の中央ヨーロッパ・チェコで、生後間もない長男の育児を経験したことです。

 子どもの世話にかかりっきりで十分に眠れず、耳鳴りも感じるなど心身が追い詰められました。しかし、地方都市だったこともあり、近くに知人はもちろん日本人もほとんどおらず、英語も通じなかったため、誰も頼れませんでした。そんな時、救ってくれたのが、現地の子育てサークルだったのです。

 周囲の母親らと十分に会話はできませんでしたが、サークルでは子どもに遊びを教えたり、子ども同士で遊ばせたりしてくれました。出産してから初めて育児の負担から解放されたようで、心が安らぎました。

 約6年間の海外滞在を終え、帰国して住んだのが豊中市。公園など緑が多く、子育て環境も考慮して選びました。幼稚園などで知り合った知人、友人にも恵まれ、4人の子どもを育てています。

 そんな中で気になっていたのが、一人で育児の悩みを抱え、家の中にこもっている「かつての私」のような母親の存在です。ベッドタウンで転勤族が多く、働く女性も多いこの街だからこそ支援が必要――そんな思いから、団体の代表を引き受けました。

 今、力を入れているのが「お下がり」の洋服やおもちゃの仲介です。交換イベントなどが定期的に開かれていたのですが、コロナ禍で中止になったため、引き継ぎました。

 不要になった品を預かり、インスタライブで必要な人向けに紹介しています。ポイントは、ほしい品がある場合は直接取りに来てもらうこと。対面でのワークショップが開催できない中、母親や子どもたちと顔を合わせる貴重な機会になっているのです。

 外出したり、人と会ったりと様々なことが制限されるコロナ禍ですが、「できない」とただ嘆くのではなく、何ができるかを考え、活動の幅を広げていきたいと考えています。(聞き手・古市豪)

 ◆兵庫県姫路市出身。化粧品会社での勤務経験を生かし、美容サロンの経営を手がけるほか、豊中市で発行されているフリーペーパー「とよなか子育て応援マガジン SMILE」の編集にも関わる。

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2714964 0 大阪ひと語り 2022/01/30 05:00:00 2022/01/31 09:21:38 2022/01/31 09:21:38 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/01/20220129-OYTAI50031-T-e1643588493979.jpg?type=thumbnail

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