<外国人材@大阪>働き手の確保 農家切実

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ベトナム人実習生に大阪なすの栽培方法を指導する乾さん(中央、富田林市で)
ベトナム人実習生に大阪なすの栽培方法を指導する乾さん(中央、富田林市で)

 ◇寮や旅行、鍋・・・「楽しみないと続かない」

 外国人労働者の受け入れを拡大する改正出入国管理・難民認定法が4月に施行されるまで3か月を切った。働き手の高齢化に悩む農家からは、外国人材への期待と不安の声が上がる。外国人技能実習生が働く富田林市内の農園を訪ねて、現状や課題を探った。(新田修)

 同市西板持町の「乾農園」のビニールハウスで17日、ベトナム人技能実習生のレー・ヴァン・クオンさん(26)が地元特産の大阪なすの苗に水をやっていた。

 乾農園は1930年に創業。家族とパート従業員の少人数で営んできた。しかし、高齢化が進み、2003年から外国人技能実習生の受け入れを始めた。現在、クオンさんら20歳代のベトナム人実習生4人が住み込みで農作業をしている。

 父親が高齢となり、乾農園副代表の乾裕佳ゆかさん(43)は家業を継ぐために実家に戻ってきた。「外国人を雇う前は休めず、体力的に限界だった」と振り返る。

 「言葉の壁」には苦心しているという。実習生は現地で半年間、日本語を学んでから来日するが、習熟度は個人差が大きい。ベトナム語を話せない乾さんらは身ぶり手ぶりで、機械の使い方や農作業を教えている。伝わらない時は、先に来日し、日本語が上手な実習生を通じてコミュニケーションを図るなどしている。

 乾農園では実習生に快適に過ごしてもらうために、受け入れ態勢を整えている。04年に約8000万円をかけて、作業場を兼ねている寮を建設。実習生を含む従業員の親睦を図るために毎年旅行に行き、鍋や焼き肉パーティーなども開く。

 乾さんは「仕事以外の楽しみがないと続かない。労働者としてではなく、家族として接するよう心がけている」と話す。17年2月から働くクオンさんは来年に帰国する予定で、「みんな親切で、仕事も丁寧に教えてくれる。日本語をもっと勉強して、もう一度来たい」と希望している。

 乾農園では当初、中国人の実習生を採用していたが、ここ数年は集まらなくなったという。乾さんは「この先ずっとベトナムから来てくれるかは、わからない」と危機感を募らせる。継続して外国人に日本に来てもらうために、乾さんは「行政は今後、外国人を受け入れる側への支援を充実させていくことが必要」と訴えた。

 ◇労働者22・4%増、7万2226人 17年

 大阪労働局のまとめによると、2017年10月末現在、府内の外国人労働者は7万2226人で前年比22・4%増。外国人を雇用した事業所は同14・2%増の1万2926か所にのぼり、調査開始以来、ともに最多となっている。

 産業別では、「製造業」が全体の23・2%を占め、「卸売業、小売業」が22・4%、「宿泊業、飲食サービス業」が15・3%、「建設業」が7・6%と続く。国籍別では、中国が2万4265人と最も多く、全体の33・6%。次いでベトナム2万685人(28・6%)、韓国4392人(6・1%)、フィリピン4309人(6・0%)だった。

 外国人専門のハローワークとしては東京、愛知とともに全国3か所にだけ設置されている「大阪外国人雇用サービスセンター」(大阪市北区)があり、外国人求職者についての相談などにあたっている。

 毎年、大阪労働局が開催している企業向けの「外国人労働者雇用啓発セミナー」では、雇用における留意点や労働条件などを解説。昨年は630社が参加した。

 同労働局の担当者は「今後のセミナーでは法改正に伴う新制度の説明も盛り込んで周知徹底を図っていきたい」と話している。

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57012 0 ニュース 2019/01/19 05:00:00 2019/01/21 14:06:27 2019/01/21 14:06:27 ベトナム人実習生に大阪ナスの栽培方法を指導する乾さん(中央)(富田林市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190118-OYTNI50082-T.jpg?type=thumbnail

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