花園に車椅子スポーツ場
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東大阪市、本格屋外コート整備
ソフトボールなど6競技■障害、年齢超え一緒に
東大阪市花園ラグビー場敷地内に、屋外では国内初となる本格的な「ウィルチェア(車椅子)スポーツコート」が整備された。来年開催予定の東京パラリンピックに向けて障害者スポーツに注目が集まる中、市は障害や年齢にかかわらず楽しめるスポーツとして広めたい考えだ。(南恭士)
コートは、市花園ラグビー場第1グラウンドの東隣に整備され、来年2月から供用を始める予定。敷地面積は約4540平方メートル。ソフトボール、バスケットボール、ハンドボール、ラグビー、テニス、ボッチャといった車椅子スポーツ6競技に対応している。車椅子の機動性を保つため、クッション性のある素材の層を塗り重ね、遮熱性も高めた。テニスの全米オープンが行われるコートと同様の素材という。
選手をサポートするため、敷地内には電動ベッドやAED(自動体外式除細動器)を配備した救護棟やトイレも設置。競技用車椅子22台のほか、暑さを和らげるミスト冷風機などの貸出品も備えている。
「ラグビーのまち」として知られる市は、スポーツを通じたまちづくりに力を入れており、近年は車椅子スポーツの普及、発展に力を注ぐ。2017年に市内の駐車場用地を「市ウィルチェアースポーツ広場」に整備し、今回の本格的なコートには備品を含めて約2億3000万円をかけた。
市は「障害の有無、性別、国籍に関係なく、みんなが一緒に遊べる共生社会の実現を目指す」との理念を掲げる。新コートでは、障害者と健常者が一緒に競技を楽しめる「車椅子ソフトボール」や車いす体験イベントなどを開く考えだ。
11月には日本車椅子ソフトボール協会とパートナーシップ協定を締結。全国大会や国際大会などの開催で連携・協力していくことを決めた。
今月5日には
女子ソフトボール元日本代表で、日本車椅子ソフトボール協会長の高山樹里さんは「車椅子スポーツは練習場所などが限られてしまう。こういうコートがあれば、交流試合などもできる。ここから車椅子スポーツを発信していければ」と話す。