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ハンセン病差別 抗議の歌

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児童らに向けた講演で、自作の歌を披露する黄さん(昨年12月、吹田市で)
児童らに向けた講演で、自作の歌を披露する黄さん(昨年12月、吹田市で)

幼い頃家族が隔離・黄さん 吹田南小で披露

「おかしいと言える社会に」

 ハンセン病家族訴訟で原告団副団長を務めた吹田市出身の黄光男ファングァンナムさん(65)(兵庫県尼崎市)が、自身の体験を語る活動を続けている。患者の家族であることは長く隠してきたが、「声を上げることが差別の解消につながる」と思い直した。自作の歌をギターで演奏し、「おかしいことはおかしいという勇気を持って」と訴える。(阿部健)

 昨年12月3日、黄さんは吹田市の市立吹田南小で、6年生約130人を前に講演した。映写機で映し出されたのは、黄さんが1歳の頃に同市の自宅前で撮った家族写真。しかし、この直後、黄さんの人生は暗転することになる。

 「母親がハンセン病になって、府職員が執拗しつように施設に入れと言ってきた。近所の銭湯で、入浴を拒否されたこともあった」

 母は黄さんが幼いことを理由に施設への入所を拒んでいたが、父や姉2人も発症し、国立ハンセン病療養所「長島愛生園」(岡山県瀬戸内市)に順次入所。黄さんは家族と離れ、岡山市の児童養護施設で過ごした。

 病状の良くなった母らと再び一緒に暮らせるようになったのは9歳の時だ。「自分の親だという実感が持てず、甘えることもできなかった」と振り返る。

 尼崎市の自宅で母と2人きりの時に、病名について尋ねたことがある。母は声を潜めて「ハンセン病」と告げた。その様子から、他人に知られてはいけないのだと悟った。

 それ以来、家族がハンセン病にかかったことはひた隠しにしてきた。50歳の頃、ハンセン病問題の啓発などに取り組む尼崎市の市民団体の活動に知人の誘いで参加。療養所の患者らと交流するようになってようやく、「ハンセン病も病気の一つに過ぎず、恥ずかしいことではない」と思えるようになり、講演を引き受けるようになった。

 2016年には、患者の隔離政策で家族も差別や偏見を受けたとして、国に損害賠償を求める家族訴訟の原告団に加わり、熊本地裁は19年6月、国の賠償責任を認める判決を出した。

 黄さんは、体験を歌にして披露している。吹田南小の講演でも、ギターを鳴らしながら歌った。

 母は病にかかっただけなのに その病が家族を引き裂いたんだ

 人を犠牲にしなければならない国があるとすれば それは人を人として認めない国でしかないだろう

 講演を聴いた男子児童(12)は「病気になるだけで、家族がバラバラにされるなんて」と驚いた様子だった。

 黄さんは「隔離政策は国だけでなく、自治体や市民も一体となって進めた」と指摘し、「おかしいことはおかしいと、一人ひとりが声を上げられる社会になってほしい」と語った。

◆ハンセン病 「らい菌」が原因で皮膚や末梢まっしょう神経などが侵されるが、感染力は極めて弱く、遺伝もしない。国は1907年から患者を強制的に療養所に隔離する政策を実施。治療法は40年代以降に確立したが、隔離政策は96年のらい予防法廃止まで約90年間続いた。

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1771147 0 ニュース 2021/01/15 05:00:00 2021/01/15 05:00:00 2021/01/15 05:00:00 引き裂かれた家族への思いを込めた自作の曲を歌う黄さん(吹田市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/01/20210114-OYTNI50031-T.jpg?type=thumbnail

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