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堺あおり運転殺人3年 母「家族の未来奪われた」

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今年の息子の誕生日プレゼントとして買ったヘルメットを前に、思い出を振り返る母親(堺市西区で)
今年の息子の誕生日プレゼントとして買ったヘルメットを前に、思い出を振り返る母親(堺市西区で)
高田拓海さん
高田拓海さん

拓海さん「卒業後結婚」かなわず

 堺市で大学4年高田拓海さん(当時22歳)があおり運転で殺害された事件は2日で3年を迎える。この1年で犯人に対する刑事・民事裁判の手続きは終結し、事件の証拠品になったバイクなどの遺品も遺族に返還された。事件から3年を前に母親(47)が読売新聞の取材に応じ、家族を失った悲しみや生前の思い出などを語った。(市川了輔)

 「今もここに拓海がおれへんことがすごく不思議に感じるんです」。自宅で遺影を見ながら母親は今も受け止められない現実を吐露した。

 今も毎日、拓海さんの夕食を作り続ける。肉じゃが、魚のムニエル、サラダなど生前と変わらないメニューが食卓に並ぶ。

 事件後、拓海さんの妹(23)と弟(20)は結婚し、昨年7月に弟に第1子が誕生、今秋には妹が出産を予定している。「2人には幸せになってほしいと願うほど、拓海も同じように幸せになるべきやったのに」との思いが募る。

 「大学を卒業したら結婚する」。生前、拓海さんが母親に伝えていた言葉だ。将来を考えていた彼女がおり、今も月に1度は自宅に泊まりに来る。母親とは、髪形を変えたこと、仕事の話など家族と同様のたわいもない会話をするが、事件のことを語ることはない。

 母親は、拓海さんが親戚の幼子とよく遊んであやしていたことを覚えている。「子どもに恵まれていれば、かわいがっていただろう。弟妹と合わせて孫は3人になり、にぎやかになっただろう。犯人は拓海だけではなく、私たち家族、彼女の未来も奪った」と話す。

 2020年7月に最高裁の決定で、殺人罪で懲役16年の判決が確定した受刑者は服役中だ。同年に受刑者が遺族に賠償することを命じた民事裁判も確定したが、支払いはない。

 謝罪の手紙も届くことはなく、母親は「お金がほしいわけではなく、犯人に苦しんでほしいと思うだけ。何も償っていないのではないか」と憤る。

 事件で傷だらけになったバイクは昨秋、検察側から返還された。拓海さんが就職する予定だったバイク販売会社の整備士が修理し、今年2月に自宅の車庫に戻った。母親は拓海さんの「25歳」の誕生日だった4月、新品のヘルメットを購入した。「せめて天国で大好きだった愛車に乗ってほしい」。母親の日課に、バイクの手入れが加わった。

 事件から3年となる2日、母親はいつも通りの日課をこなし、静かに 冥福めいふく を祈るという。

  【あおり運転殺人事件】  2018年7月2日夜、堺市南区で高田拓海さんが運転するバイクが、中村精寛(あきひろ)受刑者(43)の車にあおられた末、時速100キロ近くで追突された。拓海さんは頭を強く打ち死亡し、中村受刑者は殺人容疑で逮捕された。昨年7月に最高裁が上告棄却の決定をし、殺人罪で懲役16年とした1、2審の判決が確定した。

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2168484 0 ニュース 2021/07/01 05:00:00 2021/07/01 05:00:00 2021/07/01 05:00:00 高田拓海さんの誕生日プレゼントとして購入したヘルメットに触れる母親は「●●」と語った(6月11日、堺市西区で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210630-OYTNI50042-T.jpg?type=thumbnail

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