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ミスない接種 企業の知見 堺市、再発防止協力依頼

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企業の助言で改善されたワクチンの希釈作業ブース。不要な物品を片付け、工程ごとにテープで色分けされている(堺市南区で)=市提供
企業の助言で改善されたワクチンの希釈作業ブース。不要な物品を片付け、工程ごとにテープで色分けされている(堺市南区で)=市提供

運営に工程管理ノウハウ、ICTで冷蔵庫温度監視

 新型コロナウイルスワクチンの集団接種でミスが相次いだ堺市が、地元企業のモノづくりのノウハウやICT(情報通信技術)を導入し、再発防止に取り組んでいる。接種作業の流れを視覚化したり、異常を知らせるセンサーを設置したりと工夫をこらす。市は「民間の知恵を借りてミスをなくし、接種をスムーズに進めたい」と力を込める。(上田貴夫)

 「作業に間違いが起きないよう、ブースを整理整頓しないといけませんね」

 6月下旬、泉ヶ丘センタービル(南区)の集団接種会場。視察した農業機械大手「クボタ」の堺製造所(堺区)の社員一行が、ワクチンを希釈するブースにパソコンや事務用品が置かれていることを指摘し、市職員らに改善を求めた。

 この会場では視察の6日前、薬剤師がワクチンの空き瓶に希釈用の生理食塩水を入れ、高齢者に注射するミスが発生。使用済みの瓶は使った日時を書き込む手順になっていたが、記入を怠ったことが誤使用につながったという。

 クボタ側は▽希釈作業や注射器への注入など工程ごとにブースを色テープで区分けする▽当日作業に必要な物品以外は片付ける――など、業務の見直しを提案。市は助言を取り入れ、「決められた区画で作業すれば、忙しくても混乱しない。物品の取り間違いも起きなくなった」と効果を語る。

 6月はほかに、堺区の会場でワクチンを保管する冷蔵庫の電源が2度落ちて約660回分を廃棄したり、東区で医師が使用後の空の注射器を誤使用したりするケースもあった。ミスの頻発を受け、市は「ワクチン接種に対する市民の信頼が失われかねない」と危機感を強めた。

 そこで市は、生産工程を厳密に管理するモノづくりの視点を会場運営に取り入れようと、地元の製造大手に協力を依頼。自転車部品大手「シマノ」(堺区)には北区の会場を視察してもらい、「夏場には、接種者の熱中症や体温計の誤作動への対策も念頭に置くべきだ」とアドバイスを受けた。

 ICTの活用も進んでいる。ワクチンを保管する冷蔵庫の電源が切れるミスを繰り返さないため、NTT西日本のグループ企業の協力を得て、庫内の温度を自動監視するシステムを導入。センサーが10分おきに測定し、設定温度から外れると電子メールで知らせる。

 一連の再発防止策を講じて以降、目立ったミスは起こっていない。市は1日あたり計約2000人のペースで集団接種を進め、10月末までに希望者への接種を終える計画だ。永藤英機市長は「企業の製品生産のノウハウに学び、最善を尽くしたい」と強調する。

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2278183 0 ニュース 2021/08/12 05:00:00 2021/08/12 05:00:00 2021/08/12 05:00:00 企業の助言で改善されたワクチン希釈作業スペース。余分な荷物を片付け、作業工程順にテープで区分けされた(堺市南区で)=市提供 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/08/20210811-OYTNI50023-T.jpg?type=thumbnail

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