従業員の出向や転籍支援 失業対策で県など
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県と佐賀労働局、公益財団法人・産業雇用安定センター佐賀事務所は25日、新型コロナウイルスの影響による失業者を減らすため、在籍出向や転籍といった労働移動を支援する連携協定を結んだ。県内企業に制度を広めて需要を掘り起こし、マッチング支援を進める。(小野悠紀)
新型コロナの感染拡大を受け、県は経営が悪化した企業の事業継続を支援してきた。しかし、将来の見通しの立たない状況が長期化し、雇用の維持に不安を抱える企業も出てきている。一方、人手不足の業界もあることから、失業者が出ないよう、3者で双方の橋渡しに取り組むことにした。
協定による事業実施案では、労働局が県内6か所あるハローワークなどで相談に訪れた経営者に従業員を出向させる考えがあるかなどのニーズを調査。企業間の労働移動に関してノウハウを持つセンターが、受け入れ可能な企業とのマッチングを図るほか県も情報発信などに取り組むという。
県庁で行われた締結式には、県の寺島克敏産業労働部長、労働局の三宅秀朋職業安定部長、センターの増永幸俊佐賀事務所長が出席。寺島部長は「出向や転籍にマイナスイメージを抱く人もいるが、企業双方や従業員にもメリットがあることを理解してもらい、丁寧に支援していきたい」と述べた。労働移動に関する問い合わせは、同センター(0952・22・7163)へ。
◆解雇や雇い止め665件
佐賀労働局によると、管内のハローワークなどに寄せられた新型コロナウイルスによる解雇や雇い止めなどの件数(見込みも含む)は20日現在、延べ665件に上っている。
業種別では、労働者派遣業が163件で最多。製造業137件、宿泊業91件、サービス業72件、卸売業54件、運輸業39件、小売業33件、飲食業28件などと、様々な分野にわたっている。
同労働局職業安定課は「相談窓口を訪れた人数の集計なので実際はもっと多い可能性がある」としている。同労働局では、解雇などに関する電話相談の窓口(0952・32・7218)を設置し、対応している。