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煎茶の魅力伝え10年 肥前通仙亭 売茶翁顕彰

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売茶翁の魅力について語る川本理事長
売茶翁の魅力について語る川本理事長
10周年を迎えた肥前通仙亭
10周年を迎えた肥前通仙亭
若冲の描いた売茶翁(高遊外売茶翁顕彰会提供)
若冲の描いた売茶翁(高遊外売茶翁顕彰会提供)

 佐賀出身で「煎茶の祖」と呼ばれる江戸時代の禅僧、高遊外売茶翁こうゆうがいばいさおう(1675~1763年)を顕彰し、茶にまつわる佐賀の文化を伝える「肥前通仙亭」(佐賀市)が、開館10周年を迎えた。来館者は累計20万人を超え、関係者は「売茶翁が禅を説きながら茶を施したように、煎茶のおいしさやおもてなしの心を広めていきたい」と話している。(森陸)

 売茶翁は62歳で僧侶の身分を捨て、人々に茶を施しながら禅を説いて回り、同時代の多くの文化人らに影響を与えた。

 肥前通仙亭は2010年6月に開館。佐賀市が所有し、同市のNPO法人「高遊外売茶翁顕彰会」(川本喜美子理事長)が運営している。名称は売茶翁が京都に開いた茶店「通仙亭」にちなむ。

 売茶翁直筆の手紙や漢詩など、関係資料約200点を収集、展示。佐賀錦や名尾手すき和紙など地場産品も並ぶ。有田焼の器で味わう嬉野茶と地元銘菓の「煎茶体験セット」(500円)は、日本人だけでなく、外国人観光客にも人気があるという。

 お湯は約70度まで冷ましてから茶葉の入った急須に移し、最後の一滴まで茶わんに注ぐことが、香りとうまみを最大限に引き出すポイントだという。良質な茶葉は、昆布だしをかけて食べることもできる。

 昨年は新型コロナウイルスの流行で活動が制限される中、10周年事業の一環として希望者に写経用紙を無料配布。動画投稿サイト「ユーチューブ」の公式チャンネルで、350人から寄せられた写経を売茶翁が修行した黄檗おうばく宗大本山・萬福寺(京都府宇治市)に奉納する様子を配信した。煎茶のいれ方の解説動画も公開している。

 今年1月、売茶翁が登場するテレビドラマが放映されると、「自身の考えを貫く生き方が魅力的」とSNSで話題に。肥前通仙亭にも問い合わせの電話が相次いだという。

 川本理事長は「清貧だが自由な生き方が、人々の心に響くのだろう。これからも売茶翁を通じて、佐賀の文化や煎茶の魅力を発信したい」と力を込めた。

◆京都の文化人を導く

 佐賀市が発行する「売茶翁読本」などによると、売茶翁は1675年、肥前蓮池(現・佐賀市)に生まれ、12歳で出家。江戸や京都など全国各地で修行を積みながら見聞を広めた。

 62歳の頃、高僧の身分を捨てて小さな茶店を構えた。当時は厳しい身分社会だったが、身分の隔てなく、禅を説きながら茶を施す姿に、画家の伊藤若冲じゃくちゅう(1716~1800年)ら京都の文化人は衝撃を受けつつも魅了されていった。

 「温かい心と高い教養で京都の文化人たちを導いた人物」と評するのは大阪国際大学の村田隆志准教授(日本美術史)。元々は学芸員として若冲がテーマの展覧会などを監修してきたが、若冲と関係の深かった売茶翁にも関心を抱き、研究してきた。

 1月に同市で開かれた肥前通仙亭開館10周年シンポジウムでは、講師として登壇し、若冲の代表作として知られる花鳥画「動植綵絵さいえ」の制作中、売茶翁から贈られた漢詩「丹青活手妙通神」(色使い、筆遣い、まるで神業だ)を、作品の一部に印章として刻んだことを紹介。売茶翁の絵を10点以上も描き残したことにも触れ「売茶翁なくして若冲なし」と影響の大きさを指摘した。

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1898204 0 ニュース 2021/03/10 05:00:00 2021/03/10 05:00:00 2021/03/10 05:00:00 売茶翁の魅力について語る川本理事長(佐賀市の肥前通仙亭で)=森陸撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/03/20210309-OYTNI50060-T.jpg?type=thumbnail

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