河鍋暁斎 自由な画才

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

蕨で企画展、市と連携強化 没後130年

没後130年に合わせて開かれている企画展(蕨市の河鍋暁斎記念美術館で)
没後130年に合わせて開かれている企画展(蕨市の河鍋暁斎記念美術館で)

 幕末から明治にかけて活躍し、没後130年を迎えた絵師・河鍋かわなべ暁斎きょうさい(1831~89年)の画才に注目が集まっている。東京都港区と神戸市では今年春、暁斎の画業を幅広く紹介する展覧会が開かれ、現在はロンドンの大英博物館でも作品を展示中だ。蕨市に住む暁斎のひ孫が設立した河鍋暁斎記念美術館と市は今後、観光の目玉にするため、連携を深めていく。

 没後130年に合わせ、25日まで河鍋暁斎記念美術館で開催中の企画展「暁斎の歴史画・物語絵」。地獄を暗示する柄の着物姿の遊女の掛け軸や鍾馗しょうきの錦絵、昔話や日本神話を題材にした墨画など計47点が並ぶ。台湾から訪れた林敬棠りんけいとうさん(28)は「自由自在な画法にインスピレーションをもらえる」と話した。

 暁斎は幼い頃に浮世絵師の歌川国芳に師事し、その後、狩野派に入門。現在の東京を拠点に、三味線を弾く骸骨や妖怪などを描き、浮世絵や仏画、風刺画、戯画など幅広い分野で才能を発揮した。奇抜な発想や緻密ちみつなデッサン力は海外でも評価されている。

 没後130年の今年は、2~3月に東京都港区のサントリー美術館で展覧会「河鍋暁斎 その手に描けぬものなし」が開かれ、1日約2000人が足を運ぶほど盛況だった。兵庫県立美術館(神戸市)でも特別展「没後130年 河鍋暁斎」が4~5月に開かれ、計4万351人が訪れた。

 二つの展覧会の影響もあり、河鍋暁斎記念美術館には春先から大勢が訪れている。近年、同館には開館当初の約3倍の来場者が訪れ、人気が広がっているが、今年はそれを上回る勢いだという。

 さらに大英博物館で5月23日に始まったマンガ展では、暁斎の全長17メートルの戯画的作品「新富座妖怪引幕」など3点が展示され、暁斎のひ孫の河鍋楠美くすみ館長(88)は「これまで以上の来場者が見込まれる」という。

 同館を観光資源としてまちづくりに生かそうと、蕨市も後押しする。暁斎の絵をデザインした扇子や版画などをふるさと納税の返礼品にし、暁斎の骸骨の絵が入ったガラスコップを市のブランド品に認定。市内の主要イベントには「新富座妖怪引幕」の原寸複製画を掲げてPRする。今後、市のコミュニティーバスのルートを同館経由に変えることも検討している。

 楠美館長は「暁斎の再評価は国内外で進み、現代の画家にも影響を与えている。流派を問わずあらゆるものを描いたユーモアあふれる魅力にもっと触れてもらいたい」と話している。

無断転載禁止
638820 0 ニュース 2019/06/15 05:00:00 2019/06/15 05:00:00 2019/06/15 05:00:00 没後130年に合わせて開かれている企画展(5月13日、蕨市の河鍋暁斎記念館で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/06/20190615-OYTNI50004-T.jpg?type=thumbnail

おすすめ記事

アクセスランキング

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ