大津・晴嵐台でデマンドタクシー

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デマンドタクシーの自主運営に関する契約書を披露する福本自治会長(右から2人目)と山下社長(大津市で)
デマンドタクシーの自主運営に関する契約書を披露する福本自治会長(右から2人目)と山下社長(大津市で)

 ◇地域の足 初の自治会運営

 予約して乗り合うデマンドタクシーの実証実験を行っていた大津市南郷の住宅地「晴嵐台」で、11月から県内で初めての自主運営が始まった。自治会がタクシー会社と直接契約し、これまで市が補助していた赤字分も負担する。高齢化が進み、各地で住民の交通手段の確保が課題となる中、晴嵐台はモデルケースとなるのか、今後が注目される。(生田ちひろ)

 ◇赤字解消など課題

 10月30日、晴嵐台自治会とデマンドタクシーを運行する「大津第一交通」(大津市)の契約締結式が行われた。福本佳隆・自治会長は7月の総会で賛成多数で自主運営を決めたことを紹介し、「今後も利用者を増やす」とあいさつ。山下美弘社長は「地域の『足』を守る」と力を込めた。

       ◇

 晴嵐台は約40年前に宅地開発された丘陵地だ。人口は1314人535世帯(4月1日現在)で、高齢化率は35・2%。最寄りのバス停まで歩いて約20分以上かかる。坂道が多く、地区内にスーパーもない。

 住民らは長年、バス停までの交通確保を求めており、2016年9月から大津第一交通、市などと検討。17年11月からは予約した住民の自宅前から、バス停やスーパーまでの往復路線で1年間の実証実験を始めた。

 約240人が登録し、うち約40人が常連として利用。料金は1人250~300円で、3人乗り合えば採算が取れる。自治会は毎月の町会誌などで運行ダイヤを示し、8月には1日11便から6便に減らし、乗り合い率の向上に努めた。その結果、8月の収益率(経費に対する利用料の割合)はそれまでで最高の46・7%を達成した。

       ◇

 それでも、これから自主運営を続けていくためには課題がある。

 まずはタクシー会社の協力が不可欠だ。山下社長は「正直、かなり企業努力をしている」と打ち明ける。料金区間だけでなく、約5キロ離れたJR石山駅近くの営業所から走るからだ。

 さらに、これまで市が補助していた月2万円弱の赤字は自治会の負担となる。乗り合い率の向上で赤字を減らすために、乗車状況の分析にも力を入れるという。

 実証実験の担当者だった宮地淳二さん(71)は「車を運転できない高齢者はまだ少ないが、平均年齢は今後、間違いなく上がる。その時にデマンドタクシーを利用し続けられるよう、運行を軌道に乗せたい」と話す。

 近畿大経済学部の新井圭太准教授(交通経済学)は「デマンドタクシーを導入する自治体は7、8年前から現れ、実証実験中か、終了し運行を検討中の事例が多い。行政が主導だと住民は待ちの姿勢になりがちだ。住民が主役となり、行政は相談に乗るなど後方支援に徹する方が持続する可能性は高い。晴嵐台の自主運営は先進的だ」と評価している。

 ◇バスの代替 ニーズ高まり

 県によると、デマンドタクシーは14市町で運行し、市町が赤字分を補助する。このうち、県も補助する栗東や高島など7市町の平均収益率は17・1%。路線バスや市町が運行を委託するコミュニティーバスが減便、廃止された地域の代替交通としての運行が多い。

 デマンドタクシーは予約に応じて走るので、自治体の補助額はコミュニティーバスより低い。また、運行ルートが大回りで便数も少ないバスと比べて、自宅前などきめ細かなルートを設定でき、利便性は高い。

 国土交通省によると、2016年度末で全国535市町村に4174コースある。コース数では10年間で2・6倍に増えた。県交通戦略課は「今後もニーズが高まるだろう」とみる。

 県内では04年に導入した米原市はほぼ全域で運行。昨年10月からは停留所数を約300に倍増した。

 ただ、乗り合い率は低く、市の補助額は年間1900万円前後だったが、今年度の試算では約3400万円に増加する。

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50726 0 NEWS EYE 2018/11/22 05:00:00 2018/11/22 05:00:00 契約締結式で、越市長(左)らの見守る中、調印した契約書を披露する福本自治会長(右から2人目)と山下社長(大津市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181122-OYTAI50002-T.jpg?type=thumbnail

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