長浜拠点 寺院回りに意欲

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仏像への尽きぬ魅力を語る對馬さん(長浜市で)
仏像への尽きぬ魅力を語る對馬さん(長浜市で)

 ◇仏像の魅力を発信「観音ガール」 對馬 佳菜子さん 25

 「こんなきれいな仏像があるのか。奈良時代から立ち続けている証人なんだ。もっともっと、いろんな仏像に会いたいと思った」

 中学3年だった秋。東京・武蔵野市から家族旅行で訪れた奈良市で初めて目にした東大寺・法華堂(三月堂)の「不空羂索ふくうけんさく観音立像」(国宝)に衝撃を受けた。高さ3メートル以上で、宝冠や瓔珞ようらくと呼ばれるネックレスなどをまとう姿は、大きな転機をもたらした。

 今、長浜市を拠点に、仏像の多面的な魅力を、ツイッターなどの「ソーシャル・ネットワーキング・サービス」(SNS)を駆使して全国に発信する「観音ガール」として活躍している。

 日本女子大文学部史学科で、鎌倉から室町時代の中世の古文書を基に寺の歴史などを学んでいた頃、長浜で、地元住民らが長年にわたり熱心に仏像を守り続けていることを知った。それから年に1度は訪れるようになった。

 卒業後、大手の人材派遣会社に勤務したが、「やりたいこととは違う」と、昨年8月に退社。長浜で知り合った市職員らから、「地域おこし協力隊」の募集があることを知り、「地方の現場の寺社を巡って、地域に根付いた観音文化の発信を担いたい」と応募、採用された。

 1か月後に長浜に移住。これまで市内約50か所の寺社を回り、SNSなどで寺社や祭り、観音像の魅力を伝える記事を執筆したり、仏像コーディネーターとして旅館などと連携して仏像を巡るコースを盛り込んだツアーの企画や立案をしたりしている。

 「仏像は何度見ても飽きることがありません。会うたびに表情が変わって見えるから」と笑う。落ち込んでいたり、判断に迷いがあったりする時に両手を合わせて拝むといい、「1対1で向き合うと、自然と心が整理され、自分を見つめ直す心のよりどころになっています」

 初めて仏像を拝観する時のポイントがあるという。正面から手を合わせて心の中で「こんにちは!」と声をかけ、緊張がほぐれてきたら、黙って3分間目を合わせる。そうすることで、なぜ、おでこに丸いものがあるのか、目尻が誰かに似ている気がするなど、いろんな興味が湧いてくる。

 左右から眺めたり、やや上から眺めたりするだけで表情が変わって見えるのが魅力だといい、「親しみを込めるなら、下から拝み見るのがベストアングルですよ」と、仏像への愛着ぶりを披露する。

 「県内の寺社をすべて回って仏像を目で見て確かめて、身近な存在であるホトケさんをもっと紹介していきたい」。観音ガールの意欲は衰えることがない。

(田上秀樹)

 長浜は古くから観音信仰が盛んで、住民が戦火などから守り、受け継いできた約130体の観音像が点在する。住民がお堂などで管理し、参拝の希望があれば、公開にも応じている。14日には、長浜市高月町周辺の31か寺で観音像が拝観できる恒例の「観音の里 ふるさとまつり」が開催される。對馬さんはブログ「観音ガールの南無なむ日々」(http://www.kannongirl.com/)などで情報を発信中。

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42739 0 人あり 2018/10/01 05:00:00 2018/10/01 05:00:00 仏像への尽きぬ魅力を語る對馬さん(長浜市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180930-OYTAI50002-T.jpg?type=thumbnail

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