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「悪者」生んだ背景知って

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外来種

「外来種の現状や背景を知ってほしい」と話す中井・専門学芸員(大津市で)
「外来種の現状や背景を知ってほしい」と話す中井・専門学芸員(大津市で)
ウシガエルの革で作られた靴や財布など(彦根市で)
ウシガエルの革で作られた靴や財布など(彦根市で)

 同じ外来種でも、駆除対象の「邪魔者」もいれば、食用として定着した「人気者」もいる。「効用も悪影響も人間が判断すること。生き物に罪はない」。長年、外来種対策に取り組む県立琵琶湖博物館の中井克樹・専門学芸員(環境保全復元学)は言う。

 人気者から邪魔者にされた代表格がウシガエルだ。千葉県立中央博物館などによると、1918年、米国から食用に輸入され、国策として滋賀、茨城両県の水産試験場で養殖研究が行われた。32年から米国への輸出を開始。「ドルを稼ぐホープ」ともてはやされ、69年には輸出額が7億5000万円に達した。

 だが同年、米国に輸出された冷凍肉から農薬が検出されて中断。再開後は輸出量が落ち込み、89年で終了した。

 県水産試験場(彦根市)には、ウシガエルの革で作られた靴や財布が展示されている。担当者は「食用以外の利用法が模索されたようだ」と話す。他のカエルや昆虫など多くの在来種を食べることが問題視され、2005年、国の特定外来生物に指定された。

 一方、生態系への悪影響を上回る利点があるとされた外来種の一つがニジマスだ。明治期に米国から持ち込まれた。日本人の味覚に合い、各地で養殖されている。河川や湖沼に流出し、北海道では在来魚を捕食したり、生息域を奪ったりしている。国は2015年、「産業管理外来種」に指定した。適正な管理が必要だが、産業として重要という位置づけだ。大規模な駆除活動は行われていない。

 中井氏は「生き物は『いいとこどり』するのが難しい」と強調。「行政や業者が利益に注目して副作用が分からないまま持ち込んだことが悪影響につながった。これ以上『悪者』を生まないよう、外来種がいる理由などを多くの人が考えてほしい」と話している。(おわり)

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2004618 0 New門@滋賀 2021/04/23 05:00:00 2021/04/23 05:00:00 2021/04/23 05:00:00 「外来種の現状や背景を知ってほしい」と話す中井・専門学芸員(大津市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/04/20210422-OYTAI50026-T.jpg?type=thumbnail

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