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近江牛

背中にお灸を据えられた雌牛。「リラックスしているようです」と岡山さん(竜王町で)
背中にお灸を据えられた雌牛。「リラックスしているようです」と岡山さん(竜王町で)
牛の背に並ぶお灸。直径約1.5センチの大型サイズだ(竜王町で)
牛の背に並ぶお灸。直径約1.5センチの大型サイズだ(竜王町で)

 妊娠、出産を繰り返す繁殖用の牛の体をお きゅう で温める試みが、竜王町で行われている。東洋医学の力で、一生の間に産む子の数を増やすのが狙いだ。

 「じっとしてや」。同町で「岡喜牧場」を営む岡山健喜さん(53)は21日、雌牛(5歳)が暴れないよう鼻と尾を麻縄で固定し、背中の9か所にお灸を並べて点火した。最初は体をよじらせていた雌牛も、もぐさの香ばしいにおいが立ちこめると、目を伏せて静止した。岡山さんは「温まって気持ちいいんでしょう。リラックスしてますね」とほほ笑んだ。

 同牧場では2014年、出産から出荷までの一貫生産を始めた。雌牛1頭が15~20年の生涯に産む子の数は10頭前後。妊娠期間は人間と同程度の約285日で、出産後は40日程度で子宮が回復し、次の妊娠までは約325日が最短だ。だが、回復が遅れたり、発情しなかったりするケースもあり、同牧場では平均385日かかるという。

 このサイクルを短縮するため、繁殖機能を改善する薬剤を注射することもあるが、昨年10月から、他県の牧場でも活用されているお灸を試し始めた。知人の紹介で長浜市のお灸販売業・小林雅弘さんと知り合い、牛の自然治癒力を引き出そうと考えるようになったためだ。小林さんも99か所あるというツボや効能を記した文献を紹介するなど協力している。

 同牧場で飼育する繁殖用約120頭のうち、お灸を使っているのは5、6頭。出産間隔のほか、夏バテや食欲不振への効果についてデータを集めている最中だ。

 ひとたび点火すると目が離せないなど手間がかかる手法だが、岡山さんは「研究を深め、牛を体の中から元気にして、近江生まれ、近江育ちのおいしい牛を1頭でも多く増やしたい」と意気込んでいる。

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2151522 0 New門@滋賀 2021/06/24 05:00:00 2021/06/24 05:00:00 2021/06/24 05:00:00 おきゅうを背に、うっとりと目を伏せる雌牛。「リラックスしているようです」と岡山さん(竜王町で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210624-OYTAI50007-T.jpg?type=thumbnail

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