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<中>惨事 目を背けないで

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龍谷大生ら延べ778人 被災地に派遣

被災地でボランティアや研究を続けてきた筒井さん(右)。スタディーツアーに参加した朝倉さん(左)、大橋さんと福島での経験を振り返る(大津市で)
被災地でボランティアや研究を続けてきた筒井さん(右)。スタディーツアーに参加した朝倉さん(左)、大橋さんと福島での経験を振り返る(大津市で)
スタディーツアーで梨農家(右)から被災状況を聞く学生たち(2020年2月、福島市で)=龍谷大提供
スタディーツアーで梨農家(右)から被災状況を聞く学生たち(2020年2月、福島市で)=龍谷大提供

 「自然豊かで美しい故郷に長い間、帰ることができない人がいる。あまりに理不尽だ」

 龍谷大社会学部教授の筒井のり子さん(62)は言葉に力を込める。

 2001年に「ボランティア・NPO活動センター」を設立した龍谷大はこの10年間、福島県や宮城県石巻市に学生や教職員延べ778人を派遣してきた。同センター長を務める筒井さんも、東日本大震災の復興に深く関わってきた。ボランティアや研究で、福島を訪ねたのは約50回を数える。

          ◇

 地域福祉が専門で、普段は瀬田キャンパス(大津市)で教鞭きょうべんを執る。阪神大震災(1995年)では、発生直後から約3か月、兵庫県内でボランティアコーディネーターを務めた。被災地のニーズを調べ、各地から集まるボランティアを適切に配置する役割だ。

筒井さん 支援あり方研究

 東日本大震災でも、その経験を生かそうと、発生直後から、福島県災害ボランティアセンターの情報紙の発行に手弁当で携わった。被災者の支援のあり方などの研究を進めたほか、生活支援相談員を対象とした研修を企画し、講師も務めた。

 仮設住宅や避難所で暮らす数多くの人から話を聞いた。「3日程度で帰れると思っていたのに何年も帰れないなんて」などの被災者の言葉に、福島第一原発事故の影響の大きさを再認識した。「厳しい現状から目を背けてはならない。どんな形であっても、福島と関わり続けなければ」と固く決意した。

          ◇

 15年度からは、福島へのスタディーツアーが始まった。提案したのは筒井さん。「自分たちが住む国で起きている惨事を知り、考えることで、人間として成長してほしい」と考えたからだ。

 学生たちは4日間、福島県の農家や企業、福祉施設、NPO団体などを訪ね、様々な立場の被災者らから話を聞く。

 社会学部4年朝倉勇人さん(22)は大学1年時の18年、同じ学部の大橋寛海さん(22)を誘って活動に参加して以来、毎年福島に足を運ぶ。

 2人は「人の姿がほとんどなく、時が止まったままの帰還困難区域を見て衝撃を受けた」「行き場のない悲しみや怒りを抱え、それでも前向きに生きる姿に感銘を受けた」と口をそろえる。

 20年度はコロナ禍で中止となったが、19年度までに74人の学生が南相馬市や浪江町など6市町村を訪れた。学生が書いたリポートは、大学側がまとめて被災者に送っている。筒井さんは「福島の人から『学生に話すことで、自分の内なる声に耳を傾ける、貴重な機会を得た』との声も聞いた。学生たちは深く考え、自分の言葉で語るようになった」と話す。

 スタディーツアーなどの活動は、今後も続く。「原発事故はまだ終わっていないので」。福島の復興に関わり続けることを、ライフワークにするつもりだ。(松山春香)

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1901654 0 復興を支えて 3・11から10年 2021/03/11 05:00:00 2021/03/11 05:00:00 2021/03/11 05:00:00 10年間の活動を記録した冊子を前に振り返る朝倉さん(左)、大橋さん(中央)と筒井教授(大津市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/03/20210310-OYTAI50022-T.jpg?type=thumbnail

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