<6>支援継続へ 工夫重ね

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子どもと高齢者

 貧困や孤独といった困難を抱えた子どもや、介護が必要な高齢者も、コロナ禍に揺さぶられた。支える現場では、支援を継続するための工夫が生まれている。

 「雪の玉、当てたるわ」。大津市観音寺の一軒家にあるNPO法人「こどもソーシャルワークセンター」。昨年末の夜、理事長の幸重忠孝さん(48)から雪遊びに行く計画を告げられると、「トワイライトステイ」に通う小学4年の女児がいたずらっぽく返した。

 ■必要な「居場所」

 保護者の仕事や病気などで安心して家で過ごせない子どもが週1回、下校後に訪れ、スタッフと一緒に遊び、銭湯へ行き、夕食を共にする。「子どもの居場所づくり」に取り組むセンターの柱の一つ。学校が一斉休校になった2020年3~5月、受け入れを日中にも拡大した。

 家庭的な雰囲気を重視するため、同時に受け入れるのは3人程度だが、この期間だけで、のべ337人が安心して過ごせる時間を共有した。当時、各地で子ども食堂やボランティアによる学習指導などが中止を余儀なくされる中、ともり続けた ともしび の一つとなった。

 センターは、虐待やいじめに悩み、夜中にSNSで「家を出たい」などと打ち明ける子どもの声を、同じような経験を持つスタッフが受け止める取り組みも進めている。

 地域が子どもを支える場としては近年、子ども食堂が普及し、県社協によると県内に約150か所。コロナ流行下での運営を支えようと、県や県社協は企業などから寄付や食材を集めて分配する取り組みを進めているが、マンパワーはボランティア頼みなところが大半だ。

 「例えば、各地にある児童館を夕方以降も活用するなど、官民で連携し、居場所をもっと増やしていく工夫が必要だ」。幸重さんはそう考えている。

 ■情報発信も

 県南部の介護施設で入所者ら計9人のクラスター(感染集団)が起きたのは、21年3月のことだ。この時、手を差しのべたのは草津、守山など4市の事業者でつくる県南部介護サービス事業者協議会の B―ICATビーアイキャット (びわこ感染制御支援チーム)だ。

 まだコロナ対応が手探りだった20年4月、デイサービス利用者の関係者の勤務先で陽性者が出て、事業者が感染拡大を恐れるあまり、デイサービスを3日間中止したケースがあった。

 「正しい対応を学び、事業者で支え合う仕組みが必要だ」。協議会副会長の小川義三さん(51)らがチーム創設に動いた。

 県に働きかけた結果、20年10月、各自治体なども連携して、県内全域を対象にB―ICATが発足した。平時から応援者の登録を進め、施設で感染が発生した場合、運営継続に必要な人材を派遣。居宅サービスでは代行する事業所を手当てする仕組みだ。

 21年3月のケースでは、6人のチームを派遣。普段は食堂に集まって食事をとる入所者が個室に居続けることになったため、配膳や使用後の防護服の処理などを担った。

 支援は地域の信頼獲得にもつながった。「状況を克明に発信することが、中傷を防ぎ、地域の信頼と安心につながる」と小川さん。施設はチームの手助けで事態の推移や施設内の様子をホームページで逐次公開。代表の女性は「発生時は頭が真っ白になったが、支援のおかげで情報発信にも目を向けることができた。入所者の家族から『安心できた』と聞いたときはホッとした」と感謝する。

 B―ICATの支援・相談受け付け実績は48件。小川さんは「災害時にも役立てられるのでは」と手応えを感じている。(林華代)

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2655550 0 コロナ下を生き抜く~湖国の挑戦 2022/01/07 05:00:00 2022/01/07 05:00:00 2022/01/07 05:00:00

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