アメリカナマズ 生命力の秘密

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環境に応じて泳ぎ方を変えているアメリカナマズ。調査のためセンサーを装着している(吉田特別研究員提供)
環境に応じて泳ぎ方を変えているアメリカナマズ。調査のためセンサーを装着している(吉田特別研究員提供)

 ◇国環研琵琶湖分室が解明

 琵琶湖にも生息する特定外来生物・チャネルキャットフィッシュ(アメリカナマズ)が、湖と川では体内の浮袋にためる空気量を調節し、遊泳方法を変化させていることが、国立環境研究所琵琶湖分室(大津市)の吉田誠・特別研究員らのグループの分析で明らかになった。異なる環境では泳ぎ方を変える適応能力の高さが生息エリアの拡大につながっているとみられるという。(川本修司)

 ◇浮袋で調節「湖」と「川」泳法自在

 琵琶湖では2001年に初めて確認され、08年からは毎年捕獲されるなど増加。湖底周辺に生息する生物を吸い込むように捕食する性質があり、漁業に影響を与える恐れが指摘されている。また、県のレッドデータブックで希少種に指定される在来種のビワコオオナマズも稚魚であれば捕食している可能性があり、湖内の生態系で競合するケースが懸念されている。

 12年7月~15年5月に実施した研究では、霞ヶ浦(茨城県)と、関東地方を流れる利根川、愛知県の矢作川で、アメリカナマズの背中に行動を記録するセンサーを装着。データとして有効な時間(1週間前後)を採取できた計11匹について、泳ぎの加速度や滞在している水深、水温、水圧、体の振動の周期や強さなどを分析し、浮袋にどの程度の空気をためた浮力状態で遊泳しているかを解析した。

 その結果、霞ヶ浦に生息している個体は浮袋の空気を少なくして潜降する傾向があり、一方、2河川の個体は浮袋に空気をため、浮きも沈みもしない程度の浮力で遊泳していることが判明した。

 アメリカナマズは流れのない湖では湖底付近の魚や動物などを捕食するため、浮力を発生させることなく、湖底周辺での生活を送っている様子が読み取れた。逆に、流れの速い川では水中の小型魚や昆虫などを捕獲するため、水面から川底まで広く泳ぎ回ることから浮袋に空気を取り込んで泳いでいる状況が推測できるという。

 吉田特別研究員は「泳ぎ方を環境によって変化させ、エネルギー消費を抑えることで、成長にエネルギーを回すことができ、繁殖にも力を費やすことが可能になる。外来種が日本の環境に柔軟に適応していることを示している」と話している。

     ◇

<チャネルキャットフィッシュ(アメリカナマズ)> 北米原産で、1970年代に国内に持ち込まれた。成魚は体長1メートルを超える。雑食性で、ひれに鋭いとげを持つことから捕食されにくく、各地で在来魚の脅威となっている。

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421677 0 ニュース 2019/02/04 05:00:00 2019/02/04 05:00:00 2019/02/04 05:00:00 環境に応じて泳法を変えているアメリカナマズ。調査のため行動記録計を装着している(吉田特別研究員提供) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190204-OYTNI50015-T.jpg?type=thumbnail

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