CO2排出権の販売促進
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県、森林間伐で年300トン確保
県は4日、森林整備により二酸化炭素(CO2)の吸収量を増やし、その分を排出権「びわ湖カーボンクレジット」として企業などに売却する取り組みを始めると発表した。県造林公社が持つ森林で間伐を進め、年300トン分の排出権を確保。購入企業の商品やサービスの購入を県民に促すことで排出権取引を活発にし、CO2削減につなげる狙いだ。
公社は、CO2など温室効果ガスの削減量を国が認証する制度を利用し、2020年2月に年150トンの排出権を売り出したが、販売実績はゼロ。県は50年までにCO2の県内排出量を実質ゼロにすることを目指しており、販売促進に乗り出すことにした。
排出権を買う企業側は環境負荷低減の努力に加え、琵琶湖水源の森を守る活動に参画していることもアピールできる。公社は売却代金を間伐推進に充てる。
公社管理の森林は約1万4000ヘクタール。国の制度では、間伐した場合は吸収量の増加が認められるため、21年度にまず現状の2倍の年300トンの排出権を確保。1トン1万円程度での売却を見込んでいる。
三日月知事はこの日の年頭訓示で「CO2排出実質ゼロの実現に向け、具体的な一歩を進める」と強調。21年度から県庁本庁舎で使う電力の50%を再生可能エネルギーで賄うことも明らかにした。19年度の本庁舎の消費電力は248万キロ・ワット時で、一般家庭840世帯分にあたるという。